★月刊・沈黙の兵器 第00054号 '10/04/30 ★

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なんと「多忙」にしてたら、早や4月になってしまいました。
 年末に「緊急のお知らせ:丹羽先生講演会」を発行してから、4ヶ月ぶりです。
 長いあいだ発行できずに、すみませんでしたm(^^)m


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■■■ 日本経済再生の秘策 ■■■

★★ 丹羽先生講演会のご報告

2月6日(土)、キャンパスプラザ京都4階にて、大阪学院大学名誉教授・丹羽春樹先生を講師にお招きして開催されました。
【プロフィール】
 1930年芦屋生れ。関西学院大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。
ハーバード大ロシア研究センター所員、関西学院大教授、筑波大教授、京産大教授、日本学術会議会員、
大阪学院大教授を歴任。著書に、「ソ連軍事支出の推計」で防衛学会出版奨迎賞、「新正統派ケインズ経済論の基礎」(学術出版会)、
「政府貨幣特権を発動せよ」(紫翠会出版)等多数。


題目は「日本経済再生の秘策」です。
 重要なテーマですから広く募集したところ、のべ130名の参加を頂きました。
 お集まりいただきありがとうございました。

まず筆者が丹羽先生のご紹介も含め、約10分間スピーチしました。
 本メルマガ読者の皆様にもぜひきいて頂きたいので、ポイントを再現してみます。
 (文中のカッコ内は、スピーチでは話していないけど、本稿で補足した部分です)


★★筆者のスピーチ ★★

みなさんご存知ですか?
 2003年度会計(4月〜翌年3月)において 日本国は、アメリカ国債を33兆円も購入したことを!
 その年の日本国の税収は47兆円程度でしかありませんでした。
 33兆円というと、税収の70%にもなります。
 (世間の注目をあびた、民主党政権のあの事業仕分けでも、せいぜい1兆円弱の成果)
 (高速道路料金の年間売り上げが2兆円程度ですから、33兆円は莫大な金額ですね)
 (それまでも日本はアメリカ国債を購入してきましたが、単年度で33兆円は異例の巨額 )
 そこで皆さん、考えてみてください。
   ★1) ではそのアメリカ国債購入のための33兆円の財源は?
 47兆円程度の税収が財源でないことは当然ですよね。
 実は、33兆円の日本国債を発行して、33兆円のアメリカ国債を購入したのです。
 ではその日本国債を引き受けたのは誰か?
 日本国債は国際的に格付けが低いので、外国からは無理です。
 個人は勿論のこと、トヨタほどの大企業でも無理。みずほ銀行などの大銀行でも無理。
 (それにあの2003年に、日本国債を引き受けてね大募集なんて、聞かなかったですよね)
 唯一可能なところは、日本銀行しかありません。
 日本銀行は日本の中央銀行です。
 現代において、中央銀行は無からおカネを作り出せます
 コンピュータの現代にあっては、金貨の鋳造も必要ないし、紙幣の印刷も必要ありません。
 日銀がコンピュータ画面上で、33兆円と入力すれば、それが(日銀当座の)おカネとなるのです。
 (無から作り出されたおカネに、日本国は借用書、つまり国債を発行し、利子まで払うのです)

さて(以上の)この点こそが最も重要な論点なのですが、もう少しこの話を進めます。
   ★2) では単年度で33兆円ものアメリカ国債を購入した理由は?
 2004年5月頃、人気番組「朝までTV」で、この話題が取り上げられました。
 番組で司会の田原総一郎が、居並ぶ知識人ゲスト達に同じ質問をしました。
 筆者は、おおっ!、いつになく核心に迫る議論がなされるのか!、と期待して耳をそば立てました。
 ところが一人の経済学者が、「円高対策のためです」と発言して、議論は1分でお終い。
 (まったくの期待外れの議論に、 しばし筆者は呆然…、それ以来この番組は見ていません)
 (仮に「円高対策」としても、33兆円ものアメリカ国債購入は、もっと話題にすべきはず!)
 (さて2003年3月からアメリカに何があったのか!、そう、イラク戦争!)
 (33兆円のアメリカ国債購入は、このイラク戦費への援助ではないか、と筆者は考えています)

ところで皆さん、この事実もご存知ですか?
   ★3) 日本国は、アメリカ国債を売ったことがない!
 かつて橋本龍太郎が現役の首相時代にアメリカを訪れた際、記者会見で次のように述べました:
  「ときどきアメリカ国債を売却したいとの誘惑に駆られる」
 すると彼がその後日本に帰国すると、彼と“中国人女性スパイ”とのスキャンダルがマスコミに発覚!
 橋本首相は、まもなく首相を降板することになりました。(意味分かりますね?)
 このように、アメリカ国債を売却する話は「タブー」なのです。
 再度確認したいことは、日本国は米国債を売ったことがない事実です、
 …と言うことは?
   ★4) アメリカ国債を買うことは、無償でプレゼントしたのと同じ
 ではありませんか!?
 (このように日本国は、アメリカからカネをセビり取られ続けているのです)
 (このように日本国は、外国に巨額のカネを貸しているわけで、借金は殆どありません)
 (やがて米ドルがデフォルトになれば、アメリカへの貸付は永遠に戻らないでしょう)
 (米ドルのデフォルトは、アメリカの巨額の借金を踏み倒すために仕掛けられるでしょう)
 (いやその前に、日本を本当の外国からの借金漬けに陥れるかもしれません:
  「日本が将来の経済危機を回避するためにIMFによる改革を急ぐ」
  →http://www.japantoday.com//category/politics/view/japan-urges-imf-reforms-to-enhance-tools-to-prevent-crisis
  この“罠”を回避するため、一人でも多くの方にこのメルマガを伝えて下さい!)

話を戻しましょう。
 日本の2003年度のアメリカ国債購入は、現代のマネーの解りやすい例として出しました。
 これからが本題です。
   ★5)日本国が約900兆円もの借金!
 などと世間では騒がれていますが、では債権者は誰か?、をあまり言いません。
 だから、外国から借金していると思っている人も多いようです。
 (NHK教育TVでも、日本国が破綻したら国際的機関が整理に入る、などと平気でウソを教えています)
 しかし、
   ★6)日本国の借金は95%が日本国内から!
 であって、外国からの借金はごく僅かです。
 それなのにTVなどでは「国家破綻」を喧伝していますが、
 先述のように実際は、日本は米国債を大量に所有し、諸外国に巨額の貸付をしてきた世界最大の債権国なのです。
 つまり実際は、日本国内での数字の上だけの借金!
 帳簿上だけの話です。
 そして債権者の約8割は国内金融機関です。
 だから最近は、「日本国民が債権者だ」という言い方が登場してきました。
 でも変ですよね。
 日本国の借金が膨大だから、税金を上げる、消費税を上げる、年金は減らす…
 国民が債権者なら、なんでこんな目にあうの?
 理由は簡単です。
 国民が国債の債権者などではありません。(個人国債保有は3%程度)
 メインの債権者は、無からおカネを創造できる日銀であり、その子分の大手銀行です。
 それは帳簿上だけのものであり、だから日本国の借金そのものが虚構なのです。

そこで私は次のように提案してきました。
   ★7)日銀を廃止して国会が通貨を発行せよ!
 日銀は、単なる株式会社です。
 (その証拠にURLは、「www.boj.or.jp/」であって、国の機関を示す「go.jp」ではありません)
 (国会が通貨発行する考えは、アメリカ合衆国憲法第一条・八節五による)
 そんな私的機関に国の通貨を発行させる方がおかしいのです。
 国会が通貨を発行すれば、借金である国債発行の必要もありません。
 今までの借金も返していけます。
 だいたい次のイメージです:




ところがこの日銀廃止案には欠点がありました。
 日本は法治国家ですから、それを実行するための法律を作らねばなりません。
 日銀廃止法案は、不可能ではありませんが、かなりの「抵抗」を覚悟しなければなりません。
 それに較べて、 丹羽先生は実行可能な解決策を提案されているのです。


★★ 丹羽先生のスピーチ ★★

丹羽先生のスピーチは、先生としては平易に話されたようですが、かなり専門的でした。
 例えば経済学者ケインズの理論などは、知っているのが当たり前として話されて、
 有効需要などの専門用度がどんどん飛び出てくるわけです。
 大学の経済学部の4回生あたり向けの授業ではないかと思いました。
 だから、特に女性の受講者とかは、ウトウトする方が散見されました。(^_^;

そこで筆者なりに、丹羽先生の講演内容を解りやすくまとめてみます。
 内容は次の3点に集約できます:
  ●1)現行法でも、政府通貨は発行可能である。
  ●2)デフレギャップを計測すれば、政府通貨を発行してもインフレにはならない。
  ●3)その政府通貨によって、新ケインズ主義に従った経済政策をすれば、日本経済は再生する。


★★ おわりに ★★

この続きは次号とします。
 筆者多忙につき、中途半端で終わってすみません。m(^^)m
 次号が待てない方は、「政府貨幣特権を発動せよ」(紫翠会出版)を是非ご購入ください!



【Repeat Messages】
●日本が800兆円の負債? ちょっと待った! 日本は世界一の債権国だぞ! 外国からの負債はない!
  では日本の負債の債権者は誰だ? それは日銀とその子分の金融機関だった! ★参照: ep1
●日銀は株式会社であり国の機関ではない。(その証拠にURLは私的機関を示す「or.jp」だ)
  日銀を国有化して、政府と国会が信用創造せよ! ★参照: ep2
●バブルとその崩壊は、日本を構造改革するため意図的に創られたのだ! ★参照: ep6, ep7
●聖書における天地創造の神はエホバ(ヤハウエ)ではない。天地は神々(エロヒム)により創られた、とある。
  アダムとイヴだけが最初の人類ではない。他の神々が創った人が存在した? ★参照: ep13

「月刊・沈黙の兵器」
★まぐまぐ!サイト: http://www.mag2.com/m/0000150947.html
★発行者のサイト: http://www.geocities.jp/akion200104/
★執筆者のサイト: http://www.geocities.jp/untilled/ (←バックナンバーが見やすいよ)

■次号の予定: 「日本経済再生の秘策2」
■筆者へのご意見ご感想は: tin_moku@yahoo.co.jp メールチェックはあまりできませんが、よろしく…


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