★月刊・沈黙の兵器 第00050号 '09/07/02 ★

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先日、筆者の長女がこんなことをのたまった。
 長女 「お父さんのHP読んだけど、イカガワしい感じがする」
 筆者 「え、なんで?」
 長女 「色んなこと書き過ぎ。
     Aのこと書いてるかと思えば、無関係のBの話になったり…」
 筆者 「一見無関係のAとBに関係性を見出すのが大事なんだけど…(^^;」

昔そういえば長女の勉強をみてあげてると、似たことがあったっけ。
 長女 「お父さん、それ今回の試験には関係ないから」
 筆者 「いやあの…、色んな関連性を知れば、記憶や理解が深まるんだよ」
 長女 「でも試験は明日だから、そんなことまで考えてる余裕無いし…」

そういえば本メルマガ(長女が言うHP)は、歴史や農業や経済など多岐にわたっている。
 聡明なる本メルマガ読者は長女のようなことはないだろうけど、
 長女への「説明責任」を兼ねて、
 ここはひとつそれらの関係性にスポットを当ててみたいと思う。
 歴史シリーズ再開はそれからということに…


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■■■ 自然農と国際金融資本 ■■■


筆者が高校時代、世界史の先生は次のように言った:
 『世界史とは、狩猟民族の、農耕民族への侵略の歴史である
 つまり寒冷地(北)に住む狩猟民族が、温暖な地(南)に住む農耕民族を侵略する。
 北の寒冷地では食べものが豊かでないから、仕方ない事情があったのだろう。
 例えば「万里の長城」は、その北からの侵略から守るために建設されたわけだ。

そして次の歴史公理も成り立つだろう。
 『現代文明の主役は西洋文明であり、西洋文明は狩猟民族の文明である
 以前にも申し上げたが、ヨーロッパで比較的温暖なナポリですら北緯40.8度。
 これは青森と同じ緯度であり、北海道・最北端の稚内では45.5度。
 ところがロンドンは51.5度で、ベルリンは52.5度と、かなり北に位置している。

また北の気候は厳しいから、自然を克服・支配しようという考え方になりやすく、
 南の温暖な地では、自然と融合・調和しようという考え方になりやすい。
 さて旧約聖書発祥の地は厳しい砂漠地帯であり、やはり自然支配の考え方となる。
 だから狩猟民族系の西洋文明に受け入れられたのではないか。
 旧約聖書に、西洋文明の本質を理解するカギがある。


★★ 旧約聖書の自然観

例えば旧約聖書によれば、
(Visual Bible (C) Brain Hills Computer CO.Ltd)

【創世記・1章28節】
神は彼ら(注: 人類)を祝福して言われた、
「生めよ、ふえよ、地に満ちよ、地を従わせよ
また海の魚と、空の鳥と、地に動くすべての生き物とを治めよ」。
 (英語版では)
And God blessed them, and God said unto them, Be fruitful,
and multiply, and replenish the earth, and subdue it: and have
dominion over the fish of the sea, and over the fowl of the
air, and over every living thing that moveth upon the earth.


日本語訳では表現がユルイが、英語版のキーワードを英和辞典で引くと、
(New College English-Japanese Dictionary,(C) Kenkyusha Ltd.)
 subdue 〈敵・国などを〉征服する, 鎮圧する
 dominion 支配[統治]権[力], 主権 〔over〕

つまり、地球(the earth)を征服(subdue)せよ、
 全ての生き物(every living thing)を支配(dominion over)せよ、
 と神が人類に命じているのである。

自然農の考え方は、「地をあるがまま」の自然の状態にする。
 具体的には、耕さず、肥料をやらず、雑草もなるべく除去せず。
 そして全ての生き物が、調和して生きていこうというもの。
 旧約聖書の自然観は、正反対の考え方であるといえるだろう。
 さらに神は、耕さないの逆の、「耕す」ことも命じている。

【創世記・2章15節】
主なる神は人を連れて行ってエデンの園に置き、これを耕させ、これを守らせられた。
And the LORD God took the man, and put him into the garden
of Eden to dress it and to keep it.

禁断の「知恵の実」を人(アダムとイヴ)が食べ、エデンを追放された有名な話の後は、

【創世記・3章23節】
そこで主なる神は彼をエデンの園から追い出して、人が造られたその土を耕させられた
Therefore the LORD God sent him forth from the garden of
Eden, to till the ground from whence he was taken.


もっとも英和辞典を引けば、
 till (土地を)耕す, 耕作する.
とハッキリ「耕す」とあるが、dressの方は「耕す」意味とは限らないようだ。
 手入れして整える、という意味の方が自然だ。
 念のため、ヘブライ語原典でも確かめたが、同様である。
 たぶん日本語への訳者が、不耕起農法の存在すら知らずに、
   土地を手入れする = 耕す
 と意訳したに違いない、と筆者は考える。

だとすると、次の仮説が成立する。
 エデンの園では自然農のように、「整地」はするが、耕さなかった。
 ところが「知恵の実」を食べて中途半端な知恵を身につけてから、
 エデンの園を追い出されて、人(アダムとイヴ)は土地を耕すようになった。
 つまり耕すことは、知恵の実を食べた「浅知恵」の結果だ、というわけだ。
 そのことを象徴的に表した話ではないか。

やがてカイン(兄)とアベル(弟)が、アダムとイヴから生まれる。
 カインとアベルは大人になり、主なる神に供え物をする。
 ここで神は、兄カインが「耕して」作った農作物を拒絶するのだ。
 一方で神は、弟アベルが供えた羊(ひつじ)には喜ばれた。
 耕された農作物より、羊の方が自然だと思われたのかもしれない。
 ちなみにアベルが供えた羊を、神様は食べたのだろうか?
 なんとも狩猟民族の神様らしい話だ。

【創世記・4章2〜5節】
アベルは羊を飼う者となり、カインは土を耕す者となった。
日がたって、カインは地の産物を持ってきて、主に供え物とした。
アベルもまた、その群れのういごと肥えたものとを持ってきた。主はアベルとその供え物とを顧みられた。
しかしカインとその供え物とは顧みられなかったので、カインは大いに憤って、顔を伏せた。



★★ 国際金融資本の世界支配

さて現代社会の大きな問題の一つに、「国際金融資本による世界支配」がある。
 「えっ〜?、世界支配?、陰謀論ってやつっう?、イカガワしぃ!」
 との反応が一般的なので、これをご理解頂くには、膨大な解説を要する。
 だから詳細は、本メルマガのバックナンバーを丁寧に読み返して頂きたい。
 ここでは簡単な次の穴埋め問題で「証明」を試みる:

★次の○○に当てはまるカタカナ2文字は何でしょう?
 「世の中、○○だ!」

この問題を5人の大学生に出題したら、全員が「正解」した。
 正解は、世の中、アイ(愛)だ!、…じゃなくてぇ、(残念ながら)
  「世の中、カネだ! 」…(><)
 Time Is Money.(時代はカネだ)とも言うでしょう?(ジョークです (^^;)
 人々は(5人の学生も含めて)直感的に、真実を見抜いている…
 ★推薦図書: 「円の支配者」(ヴェルナー・著) & 「虚構の終焉」(同)
          「赤い楯」(広瀬隆・著)

世の中カネなら、カネを作っている中央銀行がこの世を支配できる。
 国際金融資本家たちは、世界の中央銀行をコントロールしている。
 よって「国際金融資本による世界支配」は証明された。Q.E.D.
  ・彼らは「無」からおカネを創造し、(信用創造
  ・おカネの配分まで操作している。(信用統制
  ・それを気付かれないよう洗脳し、(情報操作
  ・人々をおカネの奴隷にしている。(拝金主義

その結果、世の中はカネだ!、となったのです。
 だが「宇宙の真理」は違っている。
 さて、次の○○に当てはまる漢字2文字は何でしょう?
  「人生は、○○だ!」

正解は、「人生は、健康だ!」です。ただし広い意味で、
  ・身体的健康、
  ・精神的健康、
  ・社会的健康、
 を意味しています。
 いくらおカネがあっても、健康でなければ無意味ですね。
 (カネがあって豪邸に住んでも、不幸な人が大勢います)


★★ そして、自然農

前々項で「旧約聖書の自然観」について述べました。
 実は 国際金融資本家たちは、旧約聖書を信仰しているのです。
 (新約は違います。ここらも本メルマガ・バックナンバーを参照されたし)
 だから彼らは、地上のあらゆるものを支配することを欲するのです。
 そして人を支配するにはカネが有効なので、「おカネへの信仰」を広めるのです。
 根底には、旧約聖書の自然支配の思想があるわけです。

それと正反対に自然農は、自然調和の思想にあります。
 自然界において、おカネは何の価値も持ちません。
 当たり前ですね。

6月20日(土)22時に、NHK教育TV「サイエンスZERO」
 シリーズ「ヒトの謎に迫る第9回「農耕」が放送された。
  http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp262.html
 この番組HPでは次の重要なことが書かれている:
 「農耕を続けるために人々が重労働を強いられていたことがわかってきた。
  人々は進んで農耕を始めたのではなく、仕方なく農耕を受け入れた

この番組で、総合地球環境学研究所の佐藤洋一郎教授は、
 「『農耕は人を豊かにした』 という常識は、ウソかもしれません」
と述べられた:
 その例として、アフリカの採集民の労働時間を調べてみたら、
 週に2日半くらい働くだけだという。
 他の時間は、人と団欒(だんらん)したり、歌を歌ったりと楽しい時間を過ごしている。
 都会人と比べて、はたしてどちらが幸福なんだろう。
 彼らに、「なぜ農業をやらないのか?」、と質問したところ、
 「裏山に行けば、食べるものが一杯あるから」、との答えだったという。
 これが「エデンの園」で暮す生活ではなかっただろうか。
 ちなみにアフリカといえば飢餓を連想しがちだが、一部にすぎないようだ。(情報操作?)

不耕起自然農法は、上記のような「エデン社会」を目指すものである。
 もう、一万年にもわたって「耕してきた」人類の錯誤を、いま改めよう。
 耕すことは本来、自然破壊以外の何ものでもない。
 豊かな森を、耕したり肥料を施せば、生態系は狂ってしまう。
 耕すことは、「知恵の実」を食べた結果の、「浅知恵」なのだ。
 そして、自然を豊かにさえすれば、食べることだけは保障される。
 「おカネ」に縛られている現代社会は、大きく変わることになる。

もちろん言うは易し行うは難しで、いろいろ問題がある。
 私有財産、つまり土地は誰か個人に所有されている場合が多いから、
 アフリカの採集民のように、裏山で自由に食べ物を採集できないとか、
 おカネという「便利なもの」を簡単に捨てられないとか、
 クルマやTV、インターネットは絶対に必要だろうとか、
 いろいろあるだろうが、「方向性」を認識することは、とても重要だ。


★★ ホットケ(仏)農法!

本メルマガでは不耕起自然農法などと、コムツカシい表現を使ってきたが、
 換言すれば、どれだけ「放っとけ(ホットケ=仏)農法」でも農作物が育つか、ということだ。
 そして「ほとんど労せずして食べ物が手に入る」という、「エデン社会」を実現したい。
 かつての共産主義のスローガンでは、「働かざるもの食うべからず」であったが、
   「ちょっと働けば、食うだけは食える (余暇は仲間団欒と芸術活動)
 こんな社会、今でもアフリカやブラジル奥地で実在している社会を、「現代的に実現」したい。
 それにより、沈黙の兵器(=カネ)で世界を操る国際金融資本の支配からも解放される。
 現代文明のテクノロジーは温存しながら、エデン社会が実現できたらサイコーですね。
 つまり「縄文(古代自然社会)と現代文明の融合(止揚)」ってとこが、本当の理想ですね。
 (これも「具体的」には、相当に難しい課題だけど…(^^;)

筆者はわずかな土地でだけど、この「ホットケ農法」を実践(実験)してきました。
 成功談より失敗談の方が多いけれど、今回は最近の成功談です。
 その成功談とは…、初試みの「小麦」です。
 (実はこのメルマガの一読者が、小麦のタネを送ってくれたので、試みたのです)
 小麦は主食になり得るし、パンやうどん、お好み焼きなどの原材料でもあります。
 (特にお好み焼きは、筆者の好物なんで…v(^^;)
 なんでもフツー農家では、「麦は肥えが要るでぇ」と、やたら肥料を投入するらしい。
 (なにせ、フツーの農家の「常識」を、あまり知らないのが筆者です(^^;)
 ところが無農薬は勿論、100%「不耕起・無肥料・無除草」で、ここまで成長しました!
 (つまり完全ホットケ農法なんで、イヤー正直、もっと貧弱に育つと思っていました)
 次の、小麦の写真をご覧下さい。

不耕起・無肥料・無除草で育った 小麦

肥料をやればもっと立派に育つでぇ、とかのご意見もあるでしょうが、
  「投入する労力がゼロに近ければ、収穫量が半分であってもOK!
 という考え方を容認すれば、かなりイイ線をいっているのではないでしょうか?
 …と、かなり謙遜して申しあげましたが、もっとイイ線をいってると思っています。
 そう思いません?

他にも、ソバ、ミョウガ、シソ、トマト、キュウリ、キクイモ、フキ、インゲンなど、
 ホットケ農法でうまく育った例はいっぱいあります。
 でもこれらの作物は、農業を知っている人なら、ある程度当然らしい。
 でも今回、主食にもなる「小麦は肥料が要るでぇ」と言われたのに、無肥料で育った
 その意義は大きい。(現在小麦は、8割以上が輸入に依存しているし…)
 ちなみにコメは、移植栽培(つまり直播でなく田植する)なら、技術は確立している。
 不耕起自然農法という意味での技術ですよ。(岩澤信夫氏の貢献が大きい)
 ただ、タネを蒔いて、後はホットケ、とまではいきません。(育苗が少したいへん)
 (筆者はいずれ、コメの直播ホットケ農法を実現したいと思ってるが、筆者には田んぼが無い)

しかし、小麦などを含めたいくつかの作物に関しては、
 「農業は素人にはたいへんだ!」と、多くの就農希望者が二の足を踏なまくとも、
 農業はカンタンなんだぁ、と就農者が増えて過疎対策にもなるだろうし、
 よって近未来の食糧危機対策にもなることも、
 現存する長期の耕作放棄地の方が不耕起自然農法にとっては都合がいいことも、
 いずれ認められ、「おカネにあまり縛られず、最低食べれる」社会の実現をしたい。

ついでながら次の写真は、筆者の家の玄関先の「バラのアーチ」です。
 あまりにも見事で美しいので、ついご紹介したくなりました。
 もちろん100%「不耕起・無肥料・無除草」ですし、タネも蒔かずに勝手に生えてきました。
 (どこからタネが来たのでしょうかね?)
 それを、ちょっとワイヤーで茎を止めてあげてるだけです。

玄関先にあるバラのアーチ


★★ おわりに ★★

今回は、浅学というか、哲学的理解の浅い筆者の長女を意識して書きました。
 一見無関係な、自然農、旧約聖書、国際金融資本の関連性について述べました。
 本メルマガの賢明な読者には、どうだったでしょうか…?



【Repeat Messages】
●日本が800兆円の負債? ちょっと待った! 日本は世界一の債権国だぞ! 外国からの負債はない!
  では日本の負債の債権者は誰だ? それは日銀とその子分の金融機関だった! ★参照: ep1
●日銀は株式会社であり国の機関ではない。(その証拠にURLは私的機関を示す「or.jp」だ)
  日銀を国有化して、政府と国会が信用創造せよ! ★参照: ep2
●バブルとその崩壊は、日本を構造改革するため意図的に創られたのだ! ★参照: ep6, ep7
●聖書における天地創造の神はエホバ(ヤハウエ)ではない。天地は神々(エロヒム)により創られた、とある。
  アダムとイヴだけが最初の人類ではない。他の神々が創った人が存在した? ★参照: ep13

「月刊・沈黙の兵器」
★まぐまぐ!サイト: http://www.mag2.com/m/0000150947.html
★発行者のサイト: http://www.geocities.jp/akion200104/
★執筆者のサイト: http://www.geocities.jp/untilled/ (←バックナンバーが見やすいよ)

■次号の予定: 真説・歴史観(B): (たぶん、米国の変化2)
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