★月刊・沈黙の兵器 第00044号 '08/11/30 ★

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百年に一度の規模と言われる、経済不況が続いていますね。
 本メルマガでは、それらが「偶然に」起こったのではないと考えます。
 今回の「恐慌」は、米国サブプライム問題に端を発しました。
 低所得者に、ほぼ「無理やり」、住宅ローンを貸し付ける。
 それは「住宅価格が高騰する」、という前提で成立していました。
 その前提が崩れたわけですね。

日本で言えば、80年代後半のバブルと似ています。
 ただし相違点は、日本では中央銀行(日銀)が無茶な貸付を誘導しました。
 今回の米国では、中央銀行(連銀)の関与は少ないようです。
 サブプライムを、最新の金融商品に織り込んだわけです。
 それが世界中に販売された。
 プロですら、その金融商品にサブプライムがリンクしていると気付きませんでした。
 だから、世界的規模で、ダメージが長引いているのです。

でも、低所得者に返済困難な貸付をすれば、結果がどうなるかは自明のはず。
 だから、「偶然」ではない、と言っているわけです。
 偶然ではなく、故意だとしたら、その主体と目的と手段があるわけです。

今回は、それが本論ではないため、詳論を割愛します。
 詳細は後日のテーマとして、ここではその目的だけを申します。
 ・日本の「金融植民地」化と、貧民(極度な競争社会)の創出
 ・現在の世界基軸通貨「ドル」のシフト
 ・世界「多極化」とブロック経済 (戦争も…)
 ・最終目的は、その後に多極化の矛盾を露呈させ、「世界統一通貨」

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暗い話はさておき、今年もキクイモの収穫時期がきました (^^)v
 ナマで食べるにはまだあまり美味しくないですが、調理すればバッチシ!
 先日も、バーベキューパーティで、結構人気でした。
 (もちろん筆者のバーベキューは、「お肉」は皆無ですよ…)

それはともかく、ここ十年近く、肥料を全くやらずに、収穫できているのです。
 スゴイでしょ?
 一般的に、有機農法と、無肥料の自然農法との違いへの理解は薄いです。
 でもこれに対する理解が、世界を変えるんだけどなぁぁ〜


■■■ 真説・歴史観(8) 世界大戦 ■■■

20世紀は、戦争の世紀でした。
 それも第一次世界大戦、第二次世界大戦と、世界的な規模で…
 日本も、平和な江戸時代から明治となり、その波に巻き込まれてしまった。

こうした20世紀戦争の深相を理解するには、再々登場する次の書籍が欠かせない:
   『 赤い楯 ― ロスチャイルドの謎』 (集英社文庫) 広瀬 隆 (著)
 副題にあるようにこの本のポイントは、ロスチャイルド(赤楯一族)の謎の行動だ。
 第一次大戦で赤楯一族は、敵味方区別なく、大きな影の影響力を発揮した。
 赤楯一族は、英・仏・独・伊・墺に本拠地をもつ「国際金融資本家」である。
 (上記5カ国の統合地が、地理的にもスイスというわけだ)
 しかもその後言うところの、「軍産複合体」の中核を形成してきた。
 また敵味方双方を支援する、「サンドイッチ(両面)作戦」を伝統とする。
 つまり謎の本質は、上記3つの「」にあったのだ。

第二次大戦は、それがさらに高度になっただけである。
  ・資本主義
  ・共産主義
  ・ファシズム(ナチズム)
 これらの裏には、必ず赤楯一族が大きく影響していた。
 ただし両面作戦というより、三つ巴作戦とでも言うべきだろうが…
 本メルマガでは詳細を割愛するので、ぜひ『赤い楯』をお読みください。
 (本メルマガでは第20号21号22号23号24号25号が参考に)

本メルマガ前号では、明治維新から日銀設立、そして日露戦争を中心に述べた。
 そしていずれも、これまた「赤楯一族」の影響が大きかったことを述べた。
 赤楯一族はイギリスとフランスを通じてロシアを応援しつつ、
 本心は、イギリスとアメリカを通じて日本を応援したのだ。
 (イギリスが重複する意味は、前者は「会社」、後者は「日英同盟」)
 だから日本は日露戦争に勝利できたのである。
 そしてその後、赤楯一族の支援するソ連が誕生したのだ。
 (蛇足ながら、赤楯の誤算は、スターリン政権の誕生であったが…)

今号から複数に分け、満州事変、日中戦争、太平洋戦争への道程を述べます。
 ここでも赤楯一族の、大いなる影の影響力を見ることになる。
 なお次の書籍も、大いに参考にしました:
  『 日中戦争 − 戦争を望んだ中国、望まなかった日本
   (PHP) 北村 稔 ・ 林 思雲 (共著)
 日本人(北村氏)と中国人(林氏)が共著の日中戦争史は、画期的です。
 その意味で、右でも左でもない、「ニュートラルな視点」で書かれています。
 副題「戦争を望んだ中国、望まなかった日本」は、今号の副題にしたい位だ。


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★★ 虎の尾を踏んだ日本 ★★

日本は明治以降、日清・日露・第一次世界大戦において、戦勝国となった。
 だが本メルマガ前号の「日露戦争」で示したように、日英同盟がその本質にあった。
 決して、日本単独の実力で勝利したわけではなかったのである。
 英国の、いや正確には「赤楯一族」のバックアップがあったからこそ、の勝利である。

では赤楯一族が、なぜ日本をそこまでバックアップしたのか?
 度々指摘したように、日露戦争における最大の理由は、
  ・ ロシアの王制を倒して、共産主義ソ連を建国したかった
 …と推論できるが、その他としては、
  ・ 当時最大の本拠地・英国とは似た島国なので、フィーリング合うかも?
  ・ それなりに軍事力や国力があったので、ムヤミに敵にはできないかも?
  ・ 極東での拠点として、単純な日本人を懐柔すれば、利用可能かも?
  ・ パリ万博の日本ブーム、最大級都市東京等、文化的魅力あるかも?
 また本メルマガ39号で述べたように、ユダヤ人である赤楯一族が、
  ・ 日本の天皇は、正統なユダヤ王家の子孫ではないか?
 …と「期待した」可能性も、捨て難い。
 また本メルマガ41号で述べたように、
  ・ 大量のゴールドを隠し持った秘密グループと接触したい
 …という動機も考えられるが、実在すら確証はない。

何れにせよ彼らに支援されて、連戦連勝の日本は舞い上がってしまった。
 それがその後の「悲劇」に繋がっていくのだ。
 まず日露戦争に勝利して1905年、
  ★ 日本は、ロシアの満州租借権を引き継ぐ
 当時の中国、つまり清国の承認を得ており(「満州に関する日清条約」)、
 ここまでは問題がない。ところが同時期、
  ★ 日本は、「桂・ハリマン協定」を破棄した
 ここから、彼らとの「ボタンのかけ違い」が生じたのだ!(重要)

「桂・ハリマン協定」とは、首相・桂太郎と米国実業家ハリマンとの覚書である。
 内容は、満州での鉄道権益を、アメリカと共同経営するというもの。
 それが外務大臣・小村壽太郎に猛反対された結果、日本は破棄してしまった。
 重要な点だが、ハリマンは単なる実業家ではない。
 Wikipedia事典によると:
   ニューヨーク出身。銀行家で、米国最大の鉄道会社の経営者
   日露戦争中には日本の戦時公債を1人で1千万円分も引き受けた。
   そして1億円の破格の援助を持ちかけ、満州鉄道の共同経営を提案したのだ。
 この援助と提案は、赤楯一族の代理人としての言動であった、と筆者は考える。
  (赤楯一族は、自分らは表に出ず、代理人を使用することが多い)
 ハリマンの肩書き、銀行家は英ロスチャイルドに、鉄道家は仏ロスチャイルドに繋がる。
 ニューヨークでは、米ロスチャイルドの銀行家シフとも接触できる。
 そしてシフとともに、巨額な日本の戦時公債を引き受けたのだ。
  (前号でも述べたが赤楯は、珍しく使用人シフを通じて直接日本を支援した)
 日本にとって恩人との覚書を、日本は破棄したのだ!
 赤楯一族から見れば、
 「イエローモンキーめ、ちょっと可愛がったらツケ上がりやがって! ワレ何さまや思っとんじゃあ!」
  (注: 高貴な赤楯男爵様が、まさか大阪弁で怒鳴ったりすることはありえません)
 …と怒り心頭に発するではないか?

ただし赤楯一族は「多国籍企業」であって、例えばイギリス国家そのものではない。
 公式にはハリマンの件は、単なる民間人の提案が破棄されたにすぎない。
  だから日英同盟はその後も継続され、日本は第一次大戦(1914〜)でも甘い汁を吸う。
   (具体的には1919年のヴェルサイユ講和で、山東省のドイツ権益を獲得するなど)
 それに赤楯一族には「崇高な世界戦略」があり、そちらの方が優先される。
  子供じみた報復を、即座にすることはない。
  そういう意味では、ハリマンの件だけで、日本を決定的に敵視はしない。
 だが欧米追従の「ポチ」で安住すれば良かったものを、日本はだんだん一線を超えてしまう。
   (戦後の日本はずっとアメリカの「ポチ」だから、その意味、うまくやってるよね?)
  それは白人からのアジア開放だのと、敵対する世界戦略が「日中」に台頭してきたのだ。
   (向こうからは、「どうせイエローモンキーの浅知恵」に映っただろうけど…)
  ハリマンの件は、その端緒だったわけだ。
 そこで、赤楯一族がとった主な対抗策は、「日中分断」である。
   (先述の「サンドイッチ作戦」の一種ですね)
  だから背後ではゆっくりと、赤楯一族の対日戦略がシフトしていったのだ。
   (具体的には、日本への支援から、中国への支援にとシフトしていく)


★★ 満州事変へ ★★

日本は、清より台湾を割譲(1895)され、ロシアより南樺太を割譲(1905)された。
 北から南までの距離を考えてみれば、広大な帝国である。
 さらに1910年には西に伸び、韓国が日本に併合される。
 そもそも日本にしたら、日清・日露と戦ったのは、朝鮮半島をめぐってであった。
 当地の人には気の毒だが、朝鮮半島は地政学上の緩衝国である。
 つまり中国・ロシア・日本の3国パワーに囲まれ、戦略上の重要な位置にある。
 それまで500年の長期間、李氏朝鮮(当時名)は中国(明と清)の朝貢国であった。
 その親分・清が日清戦争(1894〜5)で敗れ、独立国となって国名を大韓帝国(略して韓国)と改めた。(1897)
 さらに日露戦争でロシアが敗れる(1905)と、日本の影響力はますます増大した。
 つまり、第二次日韓協約(1905)により、事実上日本の保護国となった
 そしてついに、日韓併合条約(1910)により、日本に併合されたのである。
 あとは満州があれば、日本の国家安全保障は堅固なものとなる。
 なぜなら満州は、北にロシアと国境を接しているからだ。
 実際 、日露戦争はロシアが満州を実質支配して、次は韓国と迫ったために始まった
 つまりロシア(1922年からはソ連)という、北からの脅威への予防策は不可欠である。
 「満州は日本の生命線」、と考える日本人が増えていった。
 そして、満州事変(1931)と繋がっていくのである。

ただし日本は当時、満州への進出を中国への侵略とは考えていなかった
 第一に、清は1912年に滅亡し、満州は馬賊等の闊歩する無政府状態であった。
  (辛亥革命(1911)で袁世凱が出るが、死去(1916)後、中国各地も軍閥内戦へ)
 第二に、満州は万里長城の北にある「化外の地」で、もともと中国では無い
  (つまり清朝は満州からの侵略者であり、それが滅亡して満州は無統治者状態に)
  (が、当時の満州人口2千万の内、9割が漢人だったから、後々ヤヤコシイ話に…)
 第三に、日本は中国への領土的野心は無く、日本人は中国を尊敬してい「た」。
  (明の末裔と深く関係ある昭和天皇は、明復活・中華民国にはシンパの立場)
  (またロシアの脅威、アジアの開放を考えれば、満州は日本が押さえるしかない)
  (つまり弱体化した中国と、欧米からのアジア開放を鑑みるに、唯一の選択肢)
  (現実、1922年ソ連が成立して満州は、防共と安全保障の最前線となる)
 第四に、次にあげる孫文との「友好」と、「密約」である。

日韓併合の翌年1911年、孫文による辛亥革命により中華民国が成立する。
 しかし軍事力に勝る袁世凱に、支配政党である国民党初代総統の座を奪われてしまう。
 孫文は日本へ亡命するが、1895年に日本へ密航して以来、延べ10年を日本で暮らす。
 日本滞在を通じて孫文は、別名を「孫中山」と号すようになった。
  これは住居近くに公家の邸宅中山家があり、その字を気に入ったからだという。
   (…と一般的には信じられているが、なんとも不自然な話ではないか?)
 筆者がある筋から聞いたところでは、実際はかなり中山家のお世話になったようだ。
   (そのことを公にしたくない事情があるようなのだが…)
 他にも多くの日本人が、資金面その他で孫文を支援した。
   (有名なところでは、映画会社で日活の創設者である梅屋庄吉がいる)
 延べ10年の日本滞在の間、孫文は次のようなことを主張した。
  ・ かつて中国を侵略した満州族の清王朝を打倒して、満州に追い帰したい
   (満州に帰った清王朝は、日中の安全保障のためにも、日本に委ねたい)
   (つまり革命実現後は、満州は日本がよろしく、という「密約」が存在した)
  ・ 明治維新をモデルに、漢民族による近代的国家(中華民国)を作りたい
  ・ アジアの、欧米列強からの独立を! (有名なのは大アジア主義講演


★★ おわりに ★★

時間切れです!
 チョー複雑でビミョーな近代史を、どう短く良く纏めるかに苦慮して、深夜3時を過ぎた。
 時間をかけたわりには、あまり話が進んでいない…(^^ゞ
 しかし体力的にもう限界なので、続きは次号とします。
 To be continued, bye for now !



【Repeat Messages】
●日本が800兆円の負債? ちょっと待った! 日本は世界一の債権国だぞ! 外国からの負債はない!
  では日本の負債の債権者は誰だ? それは日銀とその子分の金融機関だった! ★参照: ep1
●日銀は株式会社であり国の機関ではない。(その証拠にURLは私的機関を示す「or.jp」だ)
  日銀を国有化して、政府と国会が信用創造せよ! ★参照: ep2
●バブルとその崩壊は、日本を構造改革するため意図的に創られたのだ! ★参照: ep6, ep7
●聖書における天地創造の神はエホバ(ヤハウエ)ではない。天地は神々(エロヒム)により創られた、とある。
  アダムとイヴだけが最初の人類ではない。他の神々が創った人が存在した? ★参照: ep13

「月刊・沈黙の兵器」
★まぐまぐ!サイト: http://www.mag2.com/m/0000150947.html
★発行者のサイト: http://www.geocities.jp/akion200104/
★執筆者のサイト: http://www.geocities.jp/untilled/ (←バックナンバーが見やすいよ)

■次号の予定: 真説・歴史観(9): 世界大戦2
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