★月刊・沈黙の兵器 第00016号 '06/05/30 ★

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最近、大変ショッキングな事件が起こった…。ショックで涙もでない心境です。(T_T)
 筆者の持っている東芝製HDDビデオレコーダーに、ここ2年近く録画した貴重なデータがすべて消去されたのである。
 データのバックアップをぼちぼち作ろうかな、と思っていた矢先だった…
 どんなデータだったかというと、入手した貴重なビデオ画像や、過去にTVで放送された貴重なノンフィクションやドキュメンタリー番組などで、政治・経済・歴史・哲学・宗教・健康・医療・農業・生活の知恵・料理・スポーツ理論・語学などのビデオ集・約300本ほどである。しかもその多くは、後で見て短時間でも分かりやすいように膨大な労力をかけて「編集」までしたもの。CMは勿論のこと余分と思える内容をカットして短い要点にまとめたのである。これは子孫にも受け継ぎたい我家の家宝だ、とすら思っていた。
 今から思えば、その「編集」がいけなかったのだ。
 つまり、編集してカットする部分が増えるほど、フラグメンテーションといって、HDDのデータの連続性が確保できなくなり、やがてディスクに保護がかかり、録画や再生ができなくなるというもの。こんなことだけで、すべてのデータが失われたのだ。(パソコンのHDDの場合は、最適化という方法があってこの問題を解決している)
 腹立たしいのは、そんな最重要事項が取扱説明書の目立たないところにチョコッと書かれているだけなのだ。
 他にも、例えば録画できる数の上限が396本なのに、それも取扱説明書の終わりの方の、小さな目立たないところにチョコッと書かれているだけ…。500時間録画可能です!、と長所は大々的にTVやパンフレットで謳っているのに、ネガティヴな情報は目立たないようにしているのだ。この件で東芝に電話したが、社員の応対もまた事務的で誠意が無い。完全な大企業病だ。
 いずれにせよ、貴重なデータ(ビデオ画像)が大量に消失した…。残された望みは、そのほんの一部ではあるが、筆者の知人にダビングしてお分けしたので、それがバックアップの代わりになることである。このメルマガ紙面をお借りしてその方々、特にイギリスのNさん、Kさんにお願いしたい。例えば活性酸素に関する四国の某医学博士の講演や、ダイアナ妃「暗殺」へのテンプル騎士団関与を示唆するビデオのDVDを、一時的にお返し願えないでしょうか?
 どうかよろしくお願い申し上げます。m(^^:m

■■■ 新約聖書と旧約聖書(2)■■■

貴重なビデオデータの消失は、メルマガを執筆する意欲も減退するような大ショックではあるが、気を取り直して書こうと思う。しかしそういう事情ですので、いくぶん「軽く流す感じ」になるかもしれませんが、ご理解を賜りたい。

今、「ダビンチコード」なる映画・小説が脚光を浴びている。 おかげでキリスト教のトピックはタイムリーな話題である。本屋に行けばその種の特集本が何冊も山積みされている。本メルマガが現在取りあげているテーマは、期せずしてそれに合致することとなった。
 筆者はまだ「ダビンチコード」の映画を見ていない。小説を読んでいる最中だが、まだ半分くらいだ。既に小説を読んだり映画を見た人に聞いてみると、「シオン修道会やテンプル騎士団(ダイアナ妃の死に関与?)、それにフリーメーソン…、そんなものは本当に実在するの?」、と逆に訊ねられる。
 筆者は答えて、勿論実在しますよ、その関連のメルマガも執筆しています、キリスト教は二重構造になっているのです、それと国際金融資本との結びつきも鍵となるのですよ、……。かえって分からなくなったような顔をされる。マニアックな話にはついていけない、と言いたそうだ。
 だが、本メルマガの読者は、ある程度マニアックな話もガマンしてついてきて欲しい。 お願いします。


★★ イエスは旧約の神エホバを批判した? ★★

前号で、新約聖書の中に、イエスの神がエホバであると示唆できる箇所がある、と例を出した。他にも夢の中でイエスとエホバと歓談していたりする例もある。旧約聖書の中には神の言葉として、あなたが刺した者(=十字架上のイエス)は実は私(=エホバ神)であることを知り、あなたは激しく泣くだろう、といった預言もあって、イエスはやはりエホバ神そのものの化身であったとする主張もある。つまりユダヤ人は最初イエスを受け容れなかったが、終末のときにやっとイエスが誰であったかを知り、ついに救世主として受け容れる、というものである。
 だからこの種の議論は「神学論争」 といって結論が出ないのである。
 われわれはこの種のマニアックな議論は避けたいと思う。

そこで、旧約に登場する神エホバと、イエスの思想とを比較してみよう。


新約と旧約は正反対の思想

いきなり結論の比較だけを見せられても、聖書をあまり読んでいない方には納得できないかもしれませんね?(詳細は次号)
 では、少なくともイエスが律法学者を批判する場面を見てみよう:

新約聖書・マタイ・23章:
 『偽善な律法学者、パリサイ人たちよ。あなたがたは、わざわいである。杯と皿との外側はきよめるが、内側は貪欲と放縦とで満ちている』(25節)
 『このようにあなたがたも、外側は人に正しく見えるが、内側は偽善と不法とでいっぱいである 』(28節)
 『あなたがたもまた先祖たちがした悪の枡目を満たすがよい。へびよ、まむしの子らよ、どうして地獄の刑罰をのがれることができようか』(33節)
新約聖書・ルカ・11章:
 『あなたがた律法学者も、わざわいである。負い切れない重荷を人に負わせながら、自分ではその荷に指一本でも触れようとしない』(46節)
 『あなたがた律法学者は、わざわいである。知識のかぎを取りあげて、自分がはいらないばかりか、はいろうとする人たちを妨げてきた』(52節)


ここまで露骨に批判されたら、律法学者がイエスを殺したくなるのも当然ではないか!(初歩的な誤解をもっておられる方が多いので念のため申し添えるが、イエスを十字架の磔刑に処したのは、ローマの長官ピラトではなく、ユダヤの律法学者とパリサイ人である。このことは新約聖書を読めば分かることだが、このためにその後、イエスを処刑したのはユダヤ人であるとの理由からユダヤ迫害の根拠になったという説もある。また新約聖書はローマ帝国の影響下で編纂されたのであるから、イエスを殺した責任をユダヤに転嫁したというユダヤ冤罪説もある
 では律法学者の「律法」とは何か?
 私が中学生の頃これを読んで、律法学者とは法律ばかりに目を取られ、法律を教条主義的に適用する石頭の輩のことかな、と思っていた。まぁある意味、それも間違ってはいないのだが、その法律の意味するところが違った……神エホバの法である。
 律法とは、この場合、ヘブル語でトーラ、つまりモーゼ五書、つまりキリスト教の言うところの旧約聖書!のことなのである。(ウィキペディアの律法パリサイ人をご参照ください)

つまり少なくともイエスは、神エホバを直接的には批判していないかもしれないが、その教えを説く律法学者は辛らつに批判したことは認めていただきたい。
 では律法学者たちは、神エホバの思想を誤って伝えていたのであろうか?
 前々号までの当メルマガを読まれた読者なら、旧約聖書にどのような内容が書かれているかご存知であろう。一般的に伝わってくるキリスト教のイメージと、旧約聖書の思想はあまりにも正反対のイメージではないか?
 今号の図解で示した「新約と旧約は正反対の思想」を見れば、漠然とながらでも「ふむふむ言われてみれば…」と感じられるのではないか?

さらに今号の図解で示したイエスの思想をみれば、日本人なら何か感じられるというか、気付かれたのではないか?
 そう!、イエスの思想は仏教の教えとそんなに大差はない。この宗派は、エッセネ派と言われた。
 この時代、お釈迦様の生誕から約4百年、その思想がインドからイスラエルまで、到達しない訳がないではないか?
 そうした仏教思想の影響からか、グノーシス派などは、神エホバを悪魔とまで言っているのである。
 殺戮と略奪を是認したり、契約をしないと愛してくれなかったり、他の神を信仰すると末代まで呪われたり、何やらおかしいではないか?
 これらはイエスの律法学者批判が、律法学者たちが旧約を単にミス解釈したという批判ではなく、旧約の思想そのものを批判しているのではないか?
 今号の図解「新約と旧約は正反対の思想」は、その相違を示したつもりであるし、多くをここで述べられないが、賢明な読者は悟るように…


★★ 終わりに ★★

もう深夜の3時である。これから色々したら3時半過ぎ…。明日の朝も早いし、もう限界である。
 なんか泣き言をいって恐縮だけど、決して弱音を吐かないような主義は筆者には無い。弱音を吐いて、ストレスを溜めない主義です。
 おやすみなさい……


「月刊・沈黙の兵器」
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■次号の予定: 「旧約聖書と新約聖書(3)」

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/E