超恐慌が来る!? 浅井講演

この講演は、1995年の春頃に行われました。
その後、浅井氏の“予言”したように、破綻する金融機関が現れました。
いったいこれから日本はどうなるのか? 皆さん、知りたくありません?
だったら最後まで読んでね (^_^)v
1.超恐慌・銀行倒産は本当にあり得るか?
2.日本経済はガンの末期?
3.海外でも絶望的!
4.生保、お金無いんです!
5.銀行もお金無いんです!
6.郵貯もお金無いんです!
7.金融戦争、日本の敗北!
8.日本国家が破綻する時
9.文明衰興の歴史的流れ
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       「超恐慌・銀行倒産は本当にあり得るか?」
         浅井氏講演 (1995年の春頃)
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 皆さんこんにちは。浅井でございます。今日はこういう岡山という非常に歴史に
奥行きがあります素晴らしい土地で話をさせて頂きまして本当に光栄でございます。
 実は、私がつい最近書きました「超恐慌」という本があるんですけれども、発売
2ヶ月で14刷りまで今いっております。で、何故、今不況の時代に、本がほとんど
売れないという時代になぜ売れるのか、と申しますのは本物の情報をお伝えしてい
るからでございます。逆に言えば、どうもみなさまが本物の情報を求め始めたとい
う証しであろうと思います。

 今日は皆さまに、お伝えしたいことが三つほどございます。ここの白板を使って
ご説明させていただきたいと思いますが、一番目が、「現在の日本をめぐる危機的
状況の分析」ということでございます。二番目が、「じゃ、どうやったら生き残れ
るか」というサバイバル、サバイバルの法則でございます。三番目が、「新しい時
代を切り開くためのコンセプト、あるいは哲学、そして生き様」という問題でござ
います。

 この問題を全部しゃべろうと思いましたら本当に10時間あっても足りないという
わけでございます。で、まず一番大事なことは、一番最初に、現在の状況を正しく
認識するということでございます。そして次に、とりあえず生き残るということで
ございます。そして最後に、新しい時代への飛躍、更なる飛躍ということでござい
ます。

 今日はこれから二時間、時間をいただいているわけでございますが、とりあえず
二時間では、はっきり申し上げて内容をきちっとお話しすると一番しか多分しゃべ
れないと思います。ただ、一番大事なことは今、日本が陥っている状況を本当に認
識する、と。ここから全てが始まるということでございます。第二部、第三部でこ
んな話も色々出てくると思いますので、とりあえず最初の二時間を使って、いま日
本で、特に、金融システムで一体何が起こっているのかというお話をいたしたいと
思います。で、私は今日、かなり厳しいお話をいたします。別に、厳しい話をした
くて岡山にまいったわけではないんですけれども、どうも今の日本の、特に経済の
心臓部、つまり銀行とか生命保険会社とか、あるいは国の財政とかそういうものを
見ていますとこれはちょっと並じゃないなと。ただ、一般の方がまだお気付きでな
いのは、大事な情報は全部隠されているということでございます。
 昔から、「良薬口に苦し」と申しまして、厳しいお話しは最初耳に非常に痛いわ
けでございますが、おそらく今日ここでお話しする話によって、危機意識を持って
いただくと、そこから全てが始まるのではないかということで、皆さまに今日はち
ょっとショック療法をお与えしようということでこれからかなり色んな数字を使い
まして、日本が本当にどういう状況であるかということをご説明いたしたいと思い
ます。

 最初に、じゃ、日本の金融システムはそんなに本当に危ないのか、というお話で
ございます。つい最近、こういう雑誌の記事がでました。おそらくこれはほとんど
金融のプロ以外の方は読まない雑誌でございます。東洋経済新報社という経済の関
係の老舗の出版社でございまして、ここが出してます月刊誌で「金融ビジネス」と
いう、おそらく岡山で一番大きな書店で2部か3部置いてるか、という月刊誌でござ
います。ここの10月号の冒頭に何と書いてあるかというと、「そして沈没する金融
システム」というタイトルになっております。この雑誌は別にいい加減な雑誌では
ございませんで、本当にプロ相手の、いい加減なことを言わない雑誌でございます。
それが、おそらくまもなく来年から日本の金融システムは沈没しますよ、と警告を
出しているわけでございます。特にノンバンク、或いは住専と言われる住宅専門に
お金を貸しちゃったところが、いよいよ火がつくということがはっきり書いてござ
います。それから皆さんご存じだと思いますが日経新聞の11月1日付けに一体何と
出たかと。これはおそらく日本が明治維新という、一つの革命によって西洋の資本
主義国家の仲間入りをして以来初めて、という発言が日銀総裁の口から飛び出した
わけでございます。というのはその前日の10月31日、この日に日銀総裁が東京の日
本橋の日銀本店の9階で日本の金融機関の銀行の役員とかシンクタンク関係者、そ
してマスコミの一部を集めまして講演をしたわけでございます。その席上、一体何
と言ったかと。ここにその時のメモがございますので簡単に読ませていただきます。
最初に三重野さん、こういうことをおっしゃったわけです。「私が五年前に総裁に
就任して以来、今日に至るまで日本銀行は内外の様々な課題に全力を挙げて取り組
んできました。」と最初にこう、発言したわけです。で、そのあと出てきた発言と
いうのは、銀行役員それから新聞の大手の記者が目をむくような内容だったんです。
まずこう彼は発言しました。「しかし、主事の事情によって金融システムの一部に
動揺が生ずることもあり得る。」という風に言ったんです。で、そのあと、「中央
銀行に−つまり日銀ですね−日銀にとって最大の関心事は、問題の個別金融機関を
存続させるかどうかということではなく、そのことが金融システム全体を揺るがす
ことになるかどうかです」と。で、そのあとに決定的なことを彼は言ったんですね。
「金融機関といえども一個の私企業である。わたくしの企業である以上、ときには
経営破綻の状態に陥ることもあり得るが、全ての金融機関を破綻から救うのが中央
銀行の仕事ではない。個々の金融機関が破綻すべくして破綻することは、競争メカ
ニズムに支えられた健全な金融システムを育成していく観点はむしろ必要でさえあ
ります。」と言ったんです。これはどういうことかって言いますと、もはやつぶれ
るべき銀行はつぶれた方がいいし、つぶしちゃった方がいいという発言でございま
す。これが、日本の金融の番人であるご本人自らの口から出たという、これははっ
きり言って異常事態でございます。なぜ、日銀総裁自らがこういうことを言わざる
を得なかったのかと。一つはもう、そう言わざるを得ないほど銀行をとりまく環境
が悪化してしまったということでございます。新聞に書いてあることとは全く違う
ことが、もう銀行に関しては起こり始めているということでございます。それから
二番目は、日銀というのは皆さんご存じのように国の、国家の銀行でございますか
ら自分で印刷、お金を印刷することができるわけですね。ところがその、元締めで
ある日銀の絶大な力を持ってしても、もう救済できる限界を越えた銀行が出てきた
ということでございます。ということはおそらく来年から、皆さまが戦後、東京・
大阪が焼け野原になってから日本は奇跡の発展を遂げてきたわけでございますが、
その50年間に見たことも聞いたこともないことが起こり得る、ということでござい
ます。

 では、一体じゃぁ、今の日本、日本経済というのは病人の病状にに例えたら一体
どういう症状かと。これは、つい1、2年前に人気司会者で亡くなられた逸見さんと
いう方がいらっしゃいますが、その方と同じ病気でございます。日本経済が、現在
陥っている病状というのはガンでございます。ガンという病気はどうやったら治る
かと。これは皆さんご存じのように、まず本人にちゃんと告知、できたら告知した
方がいいですね。告知してかなり痛い、しかも血もでるかもしれません。そうとう
血が出ます。でも、大規模な外科手術をするしかないんです。ガン細胞を取り除く
しかないんですね。ところが、今政府がやっていることはどういうことかって言い
ますと、例えば、いま日本を支えているのは最終的に株価なんです。日経平均って
いう株価が支えらているから日本はまだひどい状態になってないわけですが、その
株価を支えるために何をやっているかと。PKOということをやっているわけです。
PKOといいますと、普通の方はカンボジアでやっていた軍事的な、あの例のPK
Oを思い出しますが、実はもう一つPKOというものがあるんです。カンボジアで
やっていましたPKOは、あれは平和維持活動ですから、この「P」はピースなん
ですね。それに対して大蔵省が資本主義始まって以来と言われる、前代未聞の作戦
を今、やっております。それが、プライスキーピングオペレーションという、この
「P」はプライスでございます。値段でございます。何の値段かというと、株価で
ございます。株の値段を下げないために、とんでもないことを今、やっているわけ
です。色んな事をやっているわけですがそのメインは、いくら大蔵省といえども無
限にお金があるわけではなくて、そこで使っているお金は何かと。
 実は皆さんが戦後本当50年、延々と貯めてきた汗の結晶である郵便貯金でありま
す。郵貯、それから簡易保険のお金も相当使っております。メインは郵貯ですね。
これを年間数兆円規模使って株を買わせているんです。これによって、初めて日本
の株価は今年2万円をなんとか春から秋にかけて維持できたわけですが、それが、
いよいよどうしようもなくなってきたっていうのが今の状況でございます。しかも
一種のこれ、麻薬でございます。つまりガン患者に本来ガン細胞、ガン細胞という
のは簡単に申し上げると不良債権ということです。銀行が背負いこんじゃったどう
しようもない焦げ付いた借金の山と。これがガン細胞と言っていいんですが、これ
を本当に解決することをせずに、ただただ株のとばしと同じ事をやっているんです。
国家ぐるみで銀行を巻き込んで、今、壮大な規模でやっているわけでございますが、
この大元にあるのは土地でございます。土地にみんな貸し込んだお金が戻ってこな
いと。ところが、今、どういう状況かと。土地に関しては東京はもう凄まじい状況
です。岡山ですとそれほどバブルの時には上がりませんでしたから皆さん実感ない
かもしれませんが、東京の土地は今や、東京都心の最も高かった数億以上の物件は
どの程度下がっているかと。

 ピークの5分の1まで下がっております。私も先日ある銀行関係者から、あんまり
ちょっと外部には言わないでくれといって聞いた話なんですが、ある銀行がどうし
てもその土地を売りたいということで、買い手がつく値段で良いということで売り
に出したらピークの時の5分の1でございました。それ以外に私が聞きましたのは、
東京で私は、会員制の勉強会をやっているんです。その中に関西にいらっしゃる大
手の不動産のスタッフがいるんですが、彼が最近関わった物件で、大阪と神戸の間
に芦屋という高級住宅地がございます。そこの値段もやはりピークの5分の1でござ
いました。本当に売れる値段というのはここまで下がってきています。ところが実
際に東京にいますと、あるいは普通の何か雑誌とかを見てますと2分の1とか、こう
いう、値段が結構半分とか、もうちょっと下がってもせいぜい6割ぐらい下がった
という、そういうものがあるんですけれども、じゃ、一体、この差は何かと。実は、
こういう物件は銀行がお金を貸した先がどうしようもなくなったんで担保に取りま
すね、土地を。それを競売にかけるんですが、かけても今買い手がほとんどおりま
せん、東京は。そういう中で一応処理しなきゃ困りますんで、結局自分のお金を出
すんです。銀行が自分のお金を出して、自分のダミー会社あるいは関連会社に買わ
せるわけです。その値段がこのぐらいなんです。このぐらいで売れなきゃ困るとい
うことです。ところがこれははっきりいって何の問題の解決にもなってないんです。
要は、とばしをやっているわけです。で、そのうち何とか土地が上がればすぐに売
りたいということで、ここにポケットを、こっちのポケットからこっちのポケット
に借金を移しただけでございます、要は。

 これを今、国家ぐるみでやっているわけございますが、それがいよいよもうどう
しようもなくなってきたという状況でございます。で、大蔵省は特に、これを何と
かPKOで株価を支えている株価が何とか二万円を維持していれば銀行は元々買っ
た株の値段と今の値段の差が、含み益と言いますが、その含み益によって不良債権
を処理できるわけです。しかも金利を日銀がめいっぱい下げてましたんで、両方か
ら支援されてやってたんですが、いよいよ、大蔵省は最後まで大本営発表し続けて
いるんですが、日銀がついに本音を言ってしまったと。三重野さんが辞める前にな
って、ついに本当のことを言ったということでございます。彼はどうも、次の日銀
総裁に責任をかぶせるのが困るということで言わされたという説も出ております。
つまり、「あの時にこういうことを言っといたじゃないか。」ということで免罪符
になるということでございます。とりあえず、いま東京の土地はもうここまで下が
っている。で、実際日本は「資本主義」というよりも「地本主義」と言われていま
すね。土地を中心とした経済システムと。その国家で、その全ての大元である土地
がここまで下がったというのははっきりいってもうすでに恐慌状態なんです。そう
言って良いかと思います。


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2.日本経済はガンの末期?

こういう風に、日本はかなり厳しい状況にあるわけですが、では、何でガンなの かと、或いはどういう数字を見ればガンと言えるのかということをこれからご説明 したいと思います。これから三つの数字をここにお書きいたします。一番上に書き ますのが30という数字でございます。それから20、そして最後は1000という数字で ございます。一番上の30は何かと、これは単位は兆でございます。30兆円という規 模でございます。これは去年の年末までに日本国政府が、「景気が悪いから何とか してくれ。」という声が財界からも一般の国民からも上がったわけですが、そのた めに、自分の予算、財政の中からお金を出動させて損害景気対策ということで出し てきたお金の総額でございます。しかし、去年の年末までは、「これだけ出しても まだ足りない。」と、「一体政府は何してるんだ。」という声が延々と渦巻いてい たわけでございますが、ただし、よく考えますとこの30兆円というのは想像を絶す る額でございます。何しろ日本の政府の1年分の予算が70兆しかないのに、一回10 兆円とか5兆円とか数回やったわけですが、合計30兆と、半分程度使ってしまった。 この程度のことをやっても、去年の年末まで、日本の経済の下がっていく下降トレ ンドがびくとも止まらなかったんです。今年、確かにふわぁっといいです。私は、 今年ははっきり申し上げて日本の壮大な下降トレンドの途中の中間半途だと見てお ります。で、30兆円、一口に30兆円といいますが、あのアメリカのクリントン政権 が去年同じように景気対策をやったんですが、わずかに1兆円規模でございました。 あの国は、もうほとんど財政が火だるまの状態でお金が出せないんです。ましてや アジアの非常に貧しい国から見たら、おそらくこの30兆円が天文学的数字という、 それほど支出してもびくともしなかったという、これは戦後50年の、日本の繁栄の カレンダーに一切なかった出来事でございます。  次の20は何かと。これは20数ヶ月、日本という、物を海外に売って、生産した物 を売ってそれを、そのお金を元に、また輸入して食べているという国家の基幹産業 は何かと。もちろん自動車産業と言って良いと思います。その自動車産業が、国内 販売台数、どうだったかと。去年の末まで、20数ヶ月連続マイナスだったんです。 去年の3月はちょっと特殊な数字でございます。それを除くと実質的20数ヶ月マイ ナスと。これも、戦後50年の日本の繁栄の歴史に全くなかった数字でございます。 ただ、ここまでは皆さまも、このぐらいの数字だったら大したことないじゃないか、 とおっしゃるかもしれません。問題は、この最後の数字なんです。いったい、これ は何かと。これはですね、例のバブル崩壊と。90年の2月から株が暴落してですね、 そのあと土地も暴落し、今やもう壮大なデフレトレンドに入ったわけですが、そう いう中で日本から消えてしまった資産の総額でございます。単位は兆でございます。 わずか数年で日本から一千兆円、だた私、かなり少な目に言っております。正式に は一千数百兆円でございます。これだけの資産がわずか3年ぐらいの間に消えちゃ ったんです。これだけの資産が日本から消えてですね、簡単に片が付くと思う方が、 私は頭がおかしいと思うんですが。  じゃ、本当に消えちゃったのかと。ここに、小さい紙が一枚ございます。これと 鉛筆一本、それから小学校5、6年生程度の算数があれば5分で計算できます。まず、 土地がどのぐらいピークの時にしてたかと。日本全国で2千から2千4百兆と言わ れております。で、どの程度下がったかと。これもですね、よくわかんないんです。 日本は、アメリカと違いまして不動産市場がちゃんと確立されておりませんので、 よく数字がわからないんですけれども、とりあえず東京都心はもう、本当に売りた いと思ったら5分の1とか、いま4分の1なんですが、岡山でしたらそんなに下がって ないでしょう。農地などもそんなに下がってないということで、日本全国平均で、 とりあえず40%下がったといたします。実際に売れる値段ということでございます。 これで見積もって、2千兆の40%で、もうこれ8百兆でございます。これだけで。 じゃ、株はどうかと。一番ピークの時に6百兆と言われております、全部で。今、 もうもちろん半分以下でございますが、少な目にして半分と。これで3百兆消えち ゃったということでこれを足し算すればこれだけで一千百兆円もう既に消えたと。 これ以外にですね、ゴルフ会員権だとか、絵ですね、絵画とか、資産と言われるも のを全部加えたらきりがないんですが、とりあえず、一千数百兆は消えてしまった ということでございます。中にはですね、「別にこんなもの消えたって帳簿上の問 題じゃないか。」とおっしゃる方もいられます。ただし問題なのは資本主義の心臓 部分金融システムというのは結局信用想像と言いまして、元々のお金を元に膨らま せている経済でございます。で、どのぐらい今膨らんでいるかという状態が大事で ございまして、例のバブルの時にこれがものすごく膨らんで、その時にそのお金で 売り買いをしていたわけでございます。そこからこれだけ消えたということは最終 的にお金を出している銀行に今とんでもない見えざる驚異を与えていると。それが 先ほど言った不良債権という問題でございます。で、私は実は、去年から、去年の 秋ぐらいから、94年という年は不思議な年ですよ、と申し上げてきたんです。と言 いますのは去年、12月の10日頃、ちょうど去年秋に、株が暴落いたしまして、株価 が瞬間的に1万5千5、6百円まで下がったんです。で、その後、12月最初ですとだい たい1万6千ちょっとという、非常に危機的なラインでございました。この時に、私 はまだ毎日新聞の記者でございましたので、東京で取材にハイヤーをよく使うんで すが、そのハイヤーの運転手さんが、たまたま大手の銀行に出入りをしておりまし て、数日前に日本で有数の銀行の頭取を乗せたんです。で、そのハイヤーの運転手 さんはその銀行の頭取と結構顔見知りで、いつもよく声を掛けてくれる気さくな方 だったらしいんですが、その日はどういう状況かと言いますと、もう、顔面は蒼白 だったそうです。それで足がふるえて、車に乗れないような状況だったと。もちろ ん声も掛けられないという状況で、いかに、この1万6千という水準が銀行にとって 危機的なラインであるかということがわかると思うんですが、この時に、ちょうど 去年の12月10日ぐらいでございす。私は東京の兜町にございます、東京証券業協会 という、日本の有数の名だたる証券会社全ての会長、それから社長が集まる会があ るんですが、そこで昼飯を食べる会で是非来てくれと、色んなことを教えてくれと 言うんでそこへ招かれたわけでございます。その時にどういうことを申し上げたか というと、来年、つまり今年ですね、94年はどういう年かと。春から、経済指部が ふわぁっと良くなって、おそらく株価で2万2千近辺あるんじゃないかと申し上げた んです。そうしましたら、日本で一番情報を持ってるはずの証券会社の社長会長が 「そんなバカな。」と言ったんです。株はその当時このぐらいでしたから、来年は 真っ暗と、つまり94年は真っ暗と。ただし95年からは良いだろうと彼らは言ってお りますね。私は違うと言ったんです。94年は不思議な年ですよ、と。自立反発的に ですね、ふわぁっと持ち上がって、それが95年からまた凄まじいトレンドに入りま すよ、と申し上げていたんですが、今のところ私の予想の方が当たっております。  で、これからちょっと、本論に入りたいと思います。じゃ、そのガン細胞が、今 どのぐらい日本にあるのかという話でございます。これはおそらく、古い言葉で言 えば国難と、国がつぶれるかどうかのほんと、運命を左右するほどの大問題である と思います。ところが残念なことに日本は、私はおそらく江戸時代以前の武士、武 士道を持った武士にはそういうことはあまりなかったと思うんですが、何か都合の 悪いことがあると隠してしまう、と。隠して、それがそのままうまくいけば私もい いと思います。ただし、例の50年前の太平洋戦争でもそうでございました。大本営 発表ということで、「あそこでも勝った、ここでも勝った、被害は非常に軽微であ る。」と言っているうちにいよいよ本土まで空襲されて最後焼け野原と。気付いた ら原爆まで落とされて、もう、身ぐるみはがれてアメリカ軍がやってくるという、 どうもそれに近いようなことを今やっているんじゃないかと。で、日本という世界 で有数の金融大国で、一体バブルが崩壊してどれだけの焦げ付いちゃった借金があ るのか、これがわからなきゃ、治療も何もできないんですが、それを国家ぐるみで 今壮大に隠しているわけでございます。ただ、まぁ何か発表しなきゃいけないとい うことで、大本営発表はどうかといいますとですね、とにかくその前にこの不良債 権ということをもう一度ご説明いたしておきますが、これはおそらく数年前でした ら、銀行関係者、或いは一部の企業経営者以外ほとんど知らない言葉だったろうと。 これはもちろん、お金を貸している権利が駄目になっちゃうと。つまり銀行が、バ ブルの時代に土地なら絶対に下がらないということで膨大なお金を貸したわけです ね。その貸した先から、六ヶ月以上もう、金利さえ戻ってこないと。中にはもう回 収不能という、そういう焦げ付いた借金の山と考えていただくと良いと思います。 それがどのくらいあるのかと。大本営発表ではこうでございます。  14兆円でございます。これは、日本の名だたる銀行・都銀・長信銀、それから信 託21行で14兆円。これは今年の一月ないし二月に政府が発表して、新聞に出ており ます。ところが、まともな金融関係者でこのことを本当だと思っている人は一人も いません。こんなわけがないと。だいたい東京の事情を知っている人間の間で今言 われていますのは、50から100兆と言われております。で、おそらくアメリカ並に厳 しくやったらこちらが正しいと思います、100兆円と。  最近、ある数字が出てきました。つまり、焦げ付いたこの借金の山は結局ほとん ど土地でございます。その土地を買い取る、買い取る機構というところがあって、 そこがまた、どこかへ一度、そこへ貯めておいて、本当に買ってくれる人に売って やっと処理したことになるわけです。どの程度本当に処理できたかと、一年間で。 1千4百億だったんです。これ、ほとんどの人は知りません、こういう数字は。一部 のところにしか出てきておりません。ということは、政府が言っているこの数字で も百年かかるっていうことです、単純計算すれば。ましてや百兆円などという不良 債権、実際にはこの程度をもっと超えるかも知れません。国家予算を超えるどうし ようもない借金の山、これをどうするのかと、誰にも今、日本では解決の方法を見 いだせないんです。ですから先ほどお見せした、この雑誌に何と書いてあるかと。 もうコントロール不能寸前まで来ていると、もう竦み合いだけだというんです。は っきり書いてあるんです。プロ向けの雑誌に書いてあります。ただそれを言うと怖 いんでだれも言えないという状況が今、続いております。


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3.海外でも絶望的!

 で、問題なのはここからでございます。本当にこれだけなのかと。もうこれでも 大変な本当に大変なあれですけど、実はこれ国内だけなんです、この数字は。海外 に、とんでもない不良債権が、実は。つまり日本があのバブルの時代、別にそんな 危ない国ではございません、特に欧米、ヨーロッパ・アメリカの、一応まともだと 思われていた物件に、信じられないような投資をしたわけですが、それが今やほと んど焦げ付いております。先日あの、週間文春という雑誌に三菱地所の、日本で最 大、あの東京駅の真ん前、丸の内あたりを全部持っている日本最大の大家さんです ね、三菱地所。あれがロックフェラーセンタービルを買ったけれどもそれがどうし ようもなくなっているっていうことがちゃんと書いてありましたけれども、あれな どはまだ良い方でございます。当時は、欧米の物件だったら何でもいいということ で日本の銀行、それから建設会社などが買い漁ったわけでございます。しかも海外 の、特にアメリカあたりのコンサルタント会社は、日本だったら何でも買うという ことで、アリのように群がったんです。で、買わせてしまったと。その時は、日本 側も、これは悲惨なんですが、ほとんどチェックらしいチェックをしなかったんで す。ですから例えばロサンゼルスあたりで、どういうことが起こったかと言うと、 ビルを丸ごと一つ買ったと。ビルと言っても日本のビルのようなものじゃなくて、 もう摩天楼のようなほんと、凄まじいビルを買ったと、買った後になって何がわか ったかと。実は、そのビルにアスベストが大量に使われていることがわかって、そ れを取り除く費用だけで買った費用を超えちゃったというのが沢山あったんです。 そんなかんやで、海外における日本の不動産投資は、はっきり言ってこれ、全滅で ございます。玉砕と言っていいと思います。その額がどのぐらいあるのかと、これ も、不思議というか恐ろしいというか、誰にも分からないんです、これ。数字が全 く出てこないんです。ただ一つだけ、出てるところがございます。三菱銀行でござ います。三菱銀行は、日本の金融機関で唯一、ニューヨーク市場に上場しておりま すので、アメリカの厳しい基準に乗っ取って発表しておりますので。じゃあ、三菱 銀行が国内のどのぐらい海外にあったかと。3倍でございます。これ、公表された データで3倍でございます。他の金融機関が全てこれと同じ事をやっているとは思 いませんけども、ただはっきり申し上げて、想像を絶する焦げ付いたお金が、今、 日本を中心として妖怪のように渦巻いているという、そういう状況が押し寄せてき ております。  私は先日、先日と言いますか、ちょうど去年の今頃でございます。私と同じ毎日 新聞の出身で大森実さんという、もうかなり年輩のジャーナリストがいらっしゃい ます。あの方は、ベトナム戦争の頃に毎日新聞で非常にアメリカをこき下ろしたも んですから、ライシャワー大使に、「あんなヤツはアメリカのためにならない。」 ということで辞めさせられた、それほど当時アメリカの力が強かったんですが、で、 その方はその後、アメリカに渡って、ジャーナリストとして活躍されているんです が、その方が去年、東京にいらっしゃいまして私と二時間ほど、ひそひそ話をして いただいたんですが、その時に彼がロサンゼルスで今どういうことが起こっている かと。  私は耳を疑いました。つまりこの膨大な焦げ付いた借金の山がどうしようもなく なってきているんで、日本の銀行の本体には出てこないんです。決算にはこれ一切、 出て来ないような仕組みにしております。現地法人が全部被っているわけです、こ れ。ここが全く分からないようになってるんです。この現地法人がどうしようもな くなってきたために、何をやっているかって言うと、アメリカの合衆国の連邦、そ れから州の法律をむちゃくちゃ破るようなことを一杯やっているわけでございます。  じゃ一体、何が動き始めたかと。アメリカの連邦捜査局が、情報収集を開始した と言うんです。私、これが何かあった時にはとんでもないことになるな、と。ロサ ンゼルスから時限爆弾がですね、こっちが吹き飛んでこっちが吹き飛ぶという事で、 そろそろ日本もツケを必ず先送りして誤魔化すということをやめないととんでもな いことになるな、と、そういう事態になっております。  こういう事態の中で今、ヨーロッパを中心に、海外でどういうことが起こりつつ あるかと。海外で今、異常事態が起こりつつあります。これは先日私がある本を作 るために、外資系にそれまでいらして、日本の銀行に移られた日本人の担当者から、 実際に聞いた話でございます。実はですね、銀行というものには格付けというもの がございます。国際的な格付けという、つまりランクでございます。例えば、フラ ンスのレストラン、有名なミシュランという本には最高級のレストラン三ツ星、三 つ星が付いている。それから、かなりそれなりのレストランでしたら二つ星と、ま あまあですと一つ星、どうってことないレストランだと星がないという、こういう 格付けですね。これ銀行にも、世界中の銀行にこういう格付けが付いております。 これは、海外のS&Pとかムービーズという会社が、有名なところがございますが、 そこが付けている格付けでございます。例のバブルの頃は、日本の都銀の良いとこ ろは、こういう最高級「トリプルA」というもうこれ以上ない、という最大級の格 付けが付いておりました。これが見る間に今暴落いたしましてどういう状況かと。 日本のかなり有名な銀行で、こういうところがすでに出てきております。  「BAA2」というランクでございます。これ、どういうランクかと。専門家以外は、 これはあまり見ない記号でございますが、このすぐ下のランクはただの「B」という ランクなんです。「B」というランクは何か、ABC あればまだ「B」だからまともじゃ ないかと思うかも知れませんが、そういうランクじゃなくて実はこの「B」というの は、その銀行が発行する債券、ジャンク債といわれる程度のランクでございます。 ゴミ屑債です。その程度のランクなんです。それを買う人の頭が知れない、という ランクでございます。そのもうわずかすれすれの一つ上のランクに転落している銀 行がもうすでにいくつか出ております。例えばこの近くですと、有名な神戸の兵庫 銀行ですね。最近、何か「イチロー」という定期預金を出して、あのバッターにあ やかって、それが結構、定期を集めているそうでございますが、私に言わせればあ あいうところに預金する人の気が知れないというぐらいですね。ほとんど、持って いる資産ほとんど売りつくしております。有価証券、株だけでじゃなくて土地もで すね、ほとんどもう、ない状態でございます。あそこはもう、植物人間じゃなくて 植物銀行という、大蔵省日銀という生命維持装置がついているから生きているんで あって、ちょっと外れたらもう、即刻取り付け騒ぎという、そのレベルの銀行でご ざいます。兵銀が今、このランクでございます。  ということで、日本の銀行の格付けが今暴落しちゃったんです。三菱銀行あたり が何とか日本で一行だけ、ここを守っておりますが、あとはもう、どんどん見る間 に転落と。あと、後でもう少し詳しく申し上げますが、信託銀行の凄まじい状態で す。これが銀行というのかな、と。内部を見るともう何もないという状況です。そ ういう状態の中で今、どういう状態のことが海外で起こっているかと。銀行という のは銀行間で膨大なお金のやり繰りをやっております。みなさんが想像される以上 に銀行にはお金はありません。ただ回しているだけでございます。この銀行間の市 場が日本国内にももちろんあるわけですが、海外の銀行とも膨大なお金のやり繰り をしているわけです。で、海外のこの、海外とのやりとりの中で、こうした銀行、 或いはそれ以外の日本の銀行もそうですが、ほとんどの銀行が今、欧米の銀行では 考えられない扱いを受け始めております。つまり、相当高い金利を払わないとお金 を貸さないと言われているんです。そういう事態になり始めています。中には、こ こら辺まで落ちた銀行の中にはもうすでに、どんなに高い金利を提示しても、貸し てくれないという状況に陥っております。つまりもう、取引敬遠と、冗談じゃない と、こんな所へ貸したらいつ返って来なくなるかわからないということで。銀行は、 日本の方はほとんど、日本人はこういう情報を持っておりませんが、海外の格付け 機関とか、信用調査をするところは膨大な情報を持っておりますので、彼らの目か ら見たらもう一目瞭然ということで、今、こういう状態になっております。特にこ ういう席ですから実名を出してどんどん銀行の名前を出しますけども、今有名なの が、東京の金融関係者内で有名なのは三井信託ですね。ここは、バブルの時代に凄 まじい事をやりましたんで、今やどういう状態かと言いますと、不良債権の処理に 20年以上かかると言われています。はっきり申し上げて20年以上というのは、これ はもう、永遠ということでございます。全資産を売っても不良債権を処理できない という風に内部の人間がもうすでに認めております。  こういう状況の中で、今日本の銀行、ただし良い銀行も沢山ございます、もちろ ん。非常に皆さまはラッキーだと思うのは岡山の中国銀行などは非常に内容が良い と思います。バブルの時代に変なことは一切しておりませんでしたので、そういう 銀行は大丈夫でございます。ただし、良い銀行と危ない銀行が玉石混淆でございま す。ですから、どうせでしたらちゃんとした銀行にお金を預ける、というのが生き 残るための一番重要な法則でございます。ただここで申し上げたいのは、この銀行 が、今こういうことを言い始めています。「俺よりもっとひどいヤツがいるぞ」と 言っているんです。俺なぞたかが知れていると。皆さん、昔の中国の言葉で、現在 でも日本語で使います、「五十歩百歩」というのをご存じでしょうか?つまり昔、 戦国時代に、中国の戦国時代、二千年以上前でございますが、ある戦争がございま して、その戦場で、負け戦になりまして、皆兵隊が逃げ始めたんですね。で、五十 歩逃げた兵隊と百歩逃げた兵隊がいたと。五十歩逃げた兵隊が百歩逃げた兵隊を指 さして、「おまえは卑怯者だ。」と言ったわけです。それと今同じ状態が起こり始 めております。五十歩は今、銀行でございます。じゃ、百歩はどこかと。


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4.生保、お金無いんです!

 生命保険でございます。これはまだあまり情報が出て来ておりませんが、生命保 険会社の中にはもう、はっきり申し上げて論外と、信じられないような状態に陥っ ているところが沢山ございます。有名なのがですね、東京に渋谷の三社、というの がございます。渋谷というのはあの新宿と並んで繁華街の一つでございますが、そ の駅の近くに生命保険会社で、それなりの所が三つあるんですが、一つは東邦生命 ですね。東のそれからほうはソ連邦の邦という字を書きますが、東邦生命。それか ら日産生命、それから日本団体生命。これは今どういう状況に陥っているかってい うと、保険会社というのは、掛け金を掛けて、その方が、掛けた本人が亡くなった り、不幸にして亡くなったり、或いは病気になった時に、必ず保険金を払うわけで すね。そのために、こういうものを必ず準備しておかないといけないわけです。  責任準備金、というですね、将来の保険支払いのためにとっておくべき、生保の 命ですね。生命保険にとっての命、種銭でございます。最後の種銭でございます。 実は、この三社などは、この責任準備金をほとんど使い尽くしちゃってるんです、 もう。絶対手を付けちゃいけないお金です、これは。これに手を付けたらもう保険 会社とは言えません。払うお金がないんですから。すでにこれを全部、全部とは言 いませんがかなりの部分使い尽くしております。特に東邦生命などは、例のあの、 養老保険という、あれで、高い金利を払うというのを約束して膨大にお金を集めた んです。それを株にほとんどつっこんだんです。で、株暴落と。これ、当たり前で ございます。貰ったお金がほとんど下がっちゃってますんで、もう、これがなくな っちゃったという、当たり前の原理でございます。ですから、私が申し上げた1千 数百兆消えちゃったというのは、全部こういうところへしわ寄せが来てるわけでご ざいます。先日、これは本当の話でございますが、先ほどの私の東京でやっている 勉強会というのが、色々な情報を皆さまに伝えているんですが、そこで、保険がや っぱり相当危ないですよと、で、これこれしかじかなんていうんで、ランク付け全 部しまして、発表しましたら、一番上位、一番危ない順にだいたい並べたら4位ぐ らいが東邦だったんですが、私の会員の中で、その東邦生命に相当掛けてらっしゃ る方がいらしてですね、どうしたらいいかという相談がありまして、このままいけ ば、もう二、三年以内に無理じゃないかと、払ってくれない状態になるんじゃない かということで申し上げたら、解約に行くと言うんで、解約に行かれたんです。ど ういうことになったかと。  どんなこと言っても解約させてくれませんでした。私も後で唖然としたんですが。 で、相当談判したそうです。「偉いヤツ出せ。」って。結局最後にポツリと、「お 金がありません」と、いうことで。その後に、彼はそれでもっていうことで相当食 い下がったそうです。そうしましたらどういうことになったかと。お金がないから、 うちで銀行を紹介しますから、銀行からお金を借りる形にしてくれと、それであな たが金利を払ってくれということでと、そういうことで落ち着いたというんで私は もう唖然としたんですが、これは別に本当の話でございまして、私もここまで来て るかな、ということで、生命保険のいくつかはもう、爆発寸前というどころか粉々 と。中はもうボロボロという状態でございます。


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5.銀行もお金無いんです!

 そういう中で、これからもしか、何かあった時に皆さんはそれなりにサバイバル、 ご自分でやっぱり生き残りを考えなきゃいけないと思うんですが、とりあえず、先 ほどの話に戻りまして、銀行というのは一体何かという、お話をしたいと思います。  戦後50年余り、日本が余りにも繁栄したためにですね、ほとんどの日本人は錯覚 を起こしているわけでございます。銀行というのは絶対つぶれない、というですね。 ただ、歴史を見ても分かる通り、或いは今、世界中を見てもわかると、アメリカで は今でもどんどん銀行がつぶれております。生命保険もどんどんつぶれております。 本来、一私企業です。日銀総裁が言ったように一企業ですから、何かあればつぶれ て当たり前と、大損すればつぶれて当たり前なわけで、それともう一つの錯覚は、 銀行にはお金があるだろうということでございます。これ、言葉が面白いんですけ れども、お金が本当なら行くところという意味で、金行というべきですね、なぜ銀 行なのか。これ元々、中国の言葉でございます。中国は昔銀本位制でございました ので、銀というのはお金という意味でございます。ですからお金が行くところとい うので銀行と言っているわけで。  銀行の宿命というのはこういうことでございます。預金者からお金を借りて、借 りると言うか、要は借りるわけですが、お金を預かって、必ず利息を払うという、 こういうことをしなきゃいけないわけです。ということは、銀行は自分で預かった お金を持ってたら意味がないわけでございます。必ず運用する、株に投資するか、 誰かに貸して、利息をまたここから取ってくる、もっと高い利息を取ってくると、 AさんならAさんに貸すということです。これをしない限り銀行は生きていけない わけでございます。ということは自分が持ってたらしょうがない。例えば、最近の コンビニエンスストアがそうでございます。皆さん、コンビニエンスストアに行く といつも商品がいっぱいあって、沢山ものがあふれているように思いますが、一つ の商品に関しては本当に置いている量は少ないんです。コンピュータですぐに次の 日、或いはその日のうちに数時間おきに持ってきてるから、補充してるから沢山あ るように錯覚しますが、それと同じです。銀行も、先ほど言ったようにこの一つの 壮大なループと、もう一つ銀行間で膨大なやり繰りをしてるわけです。特にこの銀 行間の市場をコール市場と言うんですけども、これは一日借りたら次の日に返さな きゃいけないというお金なんです。つまり壮大な自転車操業ですね。国内あるいは 海外と、網の目のように複雑な、膨大なシステムを作ってやり繰りしてるんです。 だから怖いのはもしか、一つの銀行でもイカれた時に、決済不能が起こったら、あ っと言う間にぐちゃぐちゃになる可能性があるんです。それを日銀大蔵は恐れてい るんです。  ここに、こういう壮大な流れがございます。問題はバブルの時に絶対下がるはず がないと、普通でしたら7掛けか8掛けで貸すんですね、つまり今10億してる不動産 でだったら、7割か8割しか貸しちゃいけないんです。ところが、もっと上がるだろ うと銀行も思ってましたから、中には12割ってのあったんです。元々の土地が10億 しかしないのに12億貸したという事ですね。そういうむちゃくちゃなことをやった んです。そのために、結局暴落したためにここが、止まっちゃったわけでございま す。つまり、血が、回ってなきゃいけない血が膨大にどこかに、体のどこかに痼っ たまま動かなくなっちゃったと。これが不良債権でございます。  普段でしたら皆さんも銀行というのは絶対につぶれるはずがないと思っています。 大丈夫でございます。ところが銀行を中心としたこういうシステムを信用システム といいます。その名の通り皆さんが信頼してるから、信用してるから持ってるシス テムでございます。もしか、数十年に一度やってくるわけでございますが、何かバ ブル崩壊の後に、とんでもないデフレになって、こういう風に借金が、した先から 返って来ないという状態になった時にときたま起こるのが取り付け騒ぎという、と んでもない事でございます。私は別に、これから数年以内に必ず取り付け騒ぎが起 こるとは申し上げません。ただし、後で申し上げます、ある事態になれば必ずこれ が起こります。  それと先ほどの続きで言いますと、銀行には本当にお金がないんです。普段でも そんなにありません。じゃ試しに、第一勧銀。支店は岡山にもあると思いますが、 日本で有数の銀行でございます。日本で最も預金残高が多い銀行の一つでございま す。今の預金残高は23兆円でございます。じゃ、実際に預金の引き下ろしに対応で きる現金、どのぐらい持ってるかと。これを当てられる方はいらっしゃらないと思 います。私も調べるまでは、少なくとも10%ぐらいは持ってるかと思ってたんです。 本当の数字は1千億でございます。10%で2兆3千億ですね、1%で2千3百億という ことは、1%持ってないんです。0.4%ぐらいということでございます。ですから、 60年前に日本でもアメリカでも起こりました。日本では昭和恐慌という、ある大臣 が本当のことをしゃべっちゃったんですね、委員会で。どこどこ銀行が破綻いたし ましたと。それをきっかけに翌日から京浜地区で膨大な取り付け騒ぎが起こるんで すが、それが全国に広がって行くんですが、アメリカではもっとすごいことが起こ りました。1933年のことでございます。不思議な事に、もう全てが終わったと、株 も大底を打って全てが終わったと思い始めてから一年後に銀行がおかしくなったん です。つまり、最後の最後に金融システムに全てのツケが一気に押し寄せるという のが資本主義の一種の宿命なんです。で、アメリカはどういう事が起こったかって いうと、1929年、この年に史上有名なニューヨークの株の大暴落が起こるわけです。 一つここで皆さん、ご注意して欲しいのは、じゃ、その前の二十年代はどうだった かと。1920年代。ものすごい景気が良かったんです。信じられないほどの発展を遂 げていたんですね、アメリカは。英語で言いますと、ROLLING TWENIES というわけ です。怒濤の二十年代と言われていました。  その反動でございます。1929年、あまりにも高くなった株が下がり始め、1932年、 この年に株が大底を打ちます。どこまで下がったかと。信じられませんが8分の1ま で下がりました。ニューヨークダウは8分の1まで下がったんですね。ここで、みん な終わったと思ったんです。株価も急反騰し始めました。景気も市場も、良くなり 始めたんです。全て終わったと。ところが翌33年、何が起こったか。これは歴史上、 資本主義市場最悪と言われております。  全銀行閉鎖という考えられない事をやったんです。有名な大統領でルーズベルト 大統領というのがいらっしゃいます。あの方は非常に運命を、不思議な運命を持っ た大統領で、就任式の翌日に、初仕事何であったかと。全銀行を閉鎖するという、 その宣言を出すことでした。非常に運命的な方ですけれども。ここで銀行が、全銀 行が閉鎖と。ここから35年までまたちょっと良くなるんです。この時も、これで全 て終わったという声が出たんですね。ところが、35年からまた壮大な下り坂に入っ たと。結局アメリカがこの、壮大な不況というかデフレをやっと抜け出たのは39年 だったんです。  何でかと。これ、自力ででたわけじゃないんです。ちょっと恐ろしい話ですけど も、この年にヨーロッパで第二次世界大戦が始まったんです。つまり、戦争という のは一方的にものを消費するインフレでございますから、壮大なデフレがこのイン フレでやっと上向いたんです。アメリカはやっとここで脱出できました。私が言い たいのは別に戦争しろと言ってるんじゃないんです。そうじゃなくてそれほど当時 のアメリカの、一回これほどのバブルが崩壊すると十年は続くという、このぐらい 厳しいという風に読んだ方がいいということでございます。こういう中で、歴史的 に見ると前回はこうだったんですが私は前回と同じ事が起こると思ってませんが、 とりあえず、こういう壮大な歴史が六十年前にあったと。  問題は、銀行も問題ですけども、政府も問題でございます。今までの問題などた かが知れてるという問題が実は大変な、皆さんちょっとぞくぞくしてきたかも知れ ませんけれども、もう少し寒くするともっと、今度は暑くなるんじゃないかという ことで今日は本当に厳しい話をいたします。別に、これ本当の話でございますので 知らないと、日本の次の時代を絶対来れないだろうということをお話しているわけ でございますが、先日、ニューヨークから大竹さんという方が久しぶりに日本にや って参りました。その方どういう方かと言いますと、プロのファンドマネージャー というお仕事で、つまりニューヨーク市場という、世界で一番厳しい市場で機関投 資家などから膨大なお金を預かってそれを運用して次の年に返すと。ですからはっ きり言いまして日本と違ってちょっとでも成績が悪いともうすぐに、来年からいい、 ということで、非常に厳しい仕事なんですが、そういう中で日本人で唯一彼だけで す。そこで長年頑張ってきているのは。それほど優秀な人でございますし、その方 は自分でもおっしゃってました。「私は相当色んなデータを持っているし、絶対い い加減なことを言わない。」と。堅実にお金をきちっと投資する以上、絶対いい加 減なことは言えないと。その彼が日本に来て私に残していった予言が二つあります。 「その私でも、この二つだけは絶対間違いなく言える。」って言うんです。じゃ、 大竹さんが言っていった言葉とは何かと。


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6.郵貯もお金無いんです!

 一つは郵貯でございます。郵貯は、時期ははっきり言えないが、つまり、四年後 とか六年後とかそういうはっきり断定していつとは言えないけれども、必ずこうい う事態になると、封鎖されるだろうと言っておりました。何故かと。壮大なネズミ 講だからだと言っておりました。私も実は郵貯を心配していたんですが、彼、はっ きり言いました。なぜか。  今、郵便貯金というのは銀行よりも金利がちょっと高いんです。ですからお金が 集まって来ております。ところが集まったお金、これ世界最大規模です。175兆円で ございます。単一の物としては世界最大でございます。ところが、これ全然運用で きてないんです。つまり銀行と同じでございますから誰かにお金を貸すあるいは株 を買って何かをして稼がなきゃ返せないわけです。  ところが、これが凄まじい状況になっているんです、今。一つは先ほどのPKO でございます。PKO、つまり郵便貯金というのは、ご存じのように郵政省が管轄 でございますから大蔵省は本来口出しできないはずなんですが、大蔵省が郵政省を 脅しつけまして、このまま行くと国家がつぶれると、日本がつぶれるからこれでな んとか買えと言って、ここからお金を、郵貯から出させてPKOをやっているわけ ですが、逆効果でございます、これ。やればやるほど、麻薬的効果だけしか出ない と。もっと強いものが欲しくなって、今どういう状況かって言うと、株価っていう のは結局人間の心臓の鼓動と一緒で波がないと、必ず波動がないと生きていけない んです。それがこういうものをやって止めてしまって、2万円は維持できてますけ れども、結局心臓停止の状態でございます。びーっともう動かないと。今ちょっと 危なくなって下がってます。とりあえずある時期全然動かなかったと。こうなると 投資家というのはバカらしくて売りも買いもできないということで、誰もこんなと ころへ参加しなくなっちゃうんです。そうしますと、どういう状況かというと今、 一日に2億株とかいう、下手すると1億株という水準になるんです。で、日本の証券 会社は6〜7億ないと生きていけないって言われているんです。このぐらい出来高な いとほとんど取引手数料という、売買してくれたときの手数料で生きてますから、 いま、日本の証券会社で、今日ちょっとあまり詳しく言えませんが、信じられない とこ、沢山出てきております。倒産寸前というか、非常に危ないとこも沢山出てき ております。ちょっとここで本当、言えないようなこと、私は、幾つか事実をもう 既に知っておりますが、日本のマスコミの一部が嗅ぎつけておりますが、書けない んです、怖くて。それほどの事態が今進んでおります。  簡単でございます。毎日のご飯、二善だけ食べてはいけないのが、毎日ほんのち ょっとしか。わずかの期間でしたら何とか我慢すれば生きていけます。それがある 水準を超えてしまえば誰でも倒れてしまうの当たり前で、ですから今、大手の証券 会社の担当者でも何と言っているかと。「早く暴落来い。」と言ってるんです。何 でもいいから下がってくれれば買う奴出てくる、と。このままだったらもう…とい うことで大蔵省は証券会社を全部殺すつもりかと、悲鳴が上がっております。しか も結局このお金で買っても上に行かないっていうことはもう本来行く力がないんで す。本来ですね、今の日本の経済力から言って1万2千から1万5千が妥当だと言われ ております。本来その水準でございます。で、大蔵省は怖がっているわけです。そ んな水準まで行ったら日本がつぶれると。そんなことはないんです。早く落として しまえば、不思議なもので株っていうものは落ちれば跳ね返って来るんです。下が れば確かにそこで恐怖に駆られて売る人が出て来ます。でも売りたい人が全部売っ てしまえば今度は待ってましたと買ってく人が出て来るんです。そうしますと 一部では大変な人も出て来ますが一方ではそれで株を買ってそこから株が今度勢い ついて上へあがっていけば日本が再生するための力も出て来るんです。それもさせ ないという。  大蔵省のお役人私は何を考えているのかと。自分で自分の首を絞めていると、あ るいは自分で入るべき自分の墓を掘っているような状況だと。ですから今、ニュー ヨークではまともな金融関係者はもう、日本のことを嘲笑しております。一体あい つらは何考えてるのか、と。自分で自分の首締めてるということで。日本はやはり 資本主義の国じゃなかったな。と、彼らはほんと、言っております。そういう状態 が今続いております。どっちにしましても、このPKOに突っ込んだお金、これも すでに危ないと。ただ、こんなのはどうってことないんです。ここに、かなり前に 情報出ております、週刊朝日。これの今年の一月七、十四日、お正月の合併号です ね。ここに第一弾、これが三週連続ぐらいで郵貯に関する。どうするのという、こ れでどうしていくの、という話がすでにもう出ております。実は、こういうことに なっております。郵便貯金勿論郵政省が管轄しております。で、郵政省の下に、訳 の分からない外郭団体みたいなもの、いっぱいありますこれ。何故あるかと。郵政 省の高級なお役人が、天下りするために作った機関でございます。ここへ、数年間 天下りすれば、その後、とんでもない額の退職金貰えるわけでございます。で、郵 便貯金を、全部ここへ、運用という名目で考えられないような額をどんどんここへ 出しているわけです。いくら優秀な官僚といえども、もともとこの投資の世界とい うのは切った張ったの本当に浮き沈みの難しい世界で、彼らが運用できるわけない んです。週刊朝日の記者がどうも郵貯が危ないらしいという話を聞きつけて、ここ へ取材に行ったんです、専務と。全てノーコメントです。一切何も教えてくれない という。これは何かおかしいと言うんで、彼らは裏に回って全部情報収集したんで す。そしたらどういうことが分かったかと。実は、かなりのお金がここへ行ってい るんです、ODA。私は日本のようにこれほど豊かになった国ですから、貧しい国 に、貧しいって言ったら失礼かもしれませんが、まだ開発が進んでない国にお金を 出して開発を援助するというのは良いことでございます、これ自体は。ただ問題は、 政府が自分の予算から出すのは問題ないんです。郵便貯金という皆さんの、五十年 間本当に汗水垂らして働いた、日本人の汗の結晶をこういう所に出して、しかも、 どうなっているかと。週刊朝日の記者は、調べてもう、真っ青になったっていうん です。どうなったかと。中途半端な額じゃないです、これ。凄い額出ております。 全部回収不能になってるっていうんです、これ。返ってこないお金です、もう永遠 に。これ、どうするのかと、私もちょっとここまでいって絶句しちゃったんですが、 既にこういう状態になっております。本当に読みたい方は図書館に行かれれば週刊 朝日の今年の一月、書棚捜せば出てきますから、書いてあります、ちゃんと。です からここ、ノーコメント言えないわけです。それ以外にですね、株にも全部、ほと んど全滅です、これ。運用を何も知らない人が言って、ただやってるだけですから、 もうほとんど全滅の世界です、他のものも。ただ今郵貯が持っているのは唯一、金 利が高いですから。あるいは銀行が危ないという話で、もっと危ないところへみん な一生懸命入れてるわけですね。ネズミがこっちの方がおいしい、というわけで。 ところが食べてみたら毒まんじゅうだった、という話でございます。ただ、すぐに は効きません五年十年するとコロコロコロコロといってしまう、毒まんじゅうでご ざいます。こういうネズミ講をやっているわけでございまして、一方ではどんどん お金が集まって来ているけれども一方ではどんどん損しているという、ざるでござ いますこれは。それともう一つ怖いのは、アメリカが最近変なことを言い始めてい ますね。郵貯を使えと。色んな事に、国際的な色んな事に。ここに目を彼らはつけ 始めたんです。いよいよ。175兆 もあるじゃないかと。おそらく何かあったときに これを出せという話になってくると思います。アメリカはバカじゃないですからね。 自分の国の借金のカタを、ということで非常に狙っております。そういうことでこ れほんと、日本の最後の種銭でございます。これなくなったらもう日本は沈没とい う、戦艦ヤマトでございます。これは。これが出てくる時はもう終わりという風に 言っていいと思いますが、そろそろ何か日本人もきちっとこういうことを知って考 えないと、自分の国さえ守れないという。


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7.金融戦争、日本の敗北!

 昔は太平洋戦争はもちろん爆弾でやられたわけですが、今回は金融でやられるん じゃないかと思います。そういう中で、これさえ解決すれば、全て解決するんです。 ここまで厳しい話してきましたが、簡単でございます。これさえ解決すれば。本当 に土地の値段が上がれば、何にも心配いりません。じゃ、本当に上がるのかという、 これが問題でございます。一部の不動産関係の雑誌社は、今、底値だと言っていま す。しかし、色んな本当の当ててきた人、最近色んな経済評論家が、数年前から色 んな事を言っておりますが、はっきり言ってほとんど当たらない人が多いです。で も、本当に当たる人を色々取材していきますと、地価はまだ下がるというのが本音 でございます。特に、バブルの時に銀行がお金を貸して買わせた東京・大阪、大都 市の商業地でございます。これが問題なんです。住宅地はまだ下がりますがそれほ ど大したことはないと思います。要は東京を中心とした大都市の商業地が、本当に 上がるかどうかです。おそらく、駄目だと思います。例えば先ほどの大竹さん、彼 は第二の予言で何と言っているかと。彼は「ピークから、これも時期は言えないが、 10分の1まで下がるだろう。」と。ピークから見てですね。彼はそう言っておりま す。じゃ、他の方は何と言っているかと言いますと、ここに、ある記事のコピーが ございます。これは日経ビジネスという、日経新聞が出している、ビジネス関係で もちょっと高級な人向けという雑誌で、本屋で売っておりません、定期購読の雑誌 でございます。この雑誌の、ちょっと古いですが昨年の5月17日号、93年5月17日号 の一番最初の開けてすぐのページでございます。ここに、有名な石井ひさしさんと いう方が、この方はあの立花証券の会長でございまして、ご存じのように非常にた たき上げで、予測の神様と言われている方で、ほとんど学校らしい学校も出てない んですが非常に苦労されて独特のカンでここまでのし上がってきた方でございます。 この方は、90年の株の暴落も、もうその前から言って早く全部かぶってしまえとい うことで。誰も信じなかったんですが、彼の予測が当たったという…この方は何と 言っているかと。この方は去年ですから、93年5月から見て、十年後と言っており ます。十年後に3分の1まで下がると言っております。  じゃ、なぜ下がるのかと。土地というのは、これも日本人、錯覚してきたんです、 長いこと。本来、例えば銀座、一番ピークの時に一坪で1億ぐらいしたんです、本 当に。一坪ですね、3.3平方メートル。で、その一坪1億の土地を例えば二十坪買っ て、そこにビル、十階建てのビルを建てたと、じゃその一階にテナントや喫茶店が 入ったと。で、その当時買って、今、今でしたらもしかそこに喫茶店が入っても、 銀座でもいくらなんでも一杯千円じゃ売れません、今。六百円で売ったとします。 で、まだ人件費下がってませんから、かわいい女の子を何人か雇って、内装を付け たら、どの程度で回収できるかと。下手すると今でも百年、二百年かかるかも知れ ません。そんなバカな話ないんであって、十五年ぐらいで回収できなきゃ経済的に 見合わないわけです。そういうことが続くわけないわけで。ただ、東京などを中心 に日本の地価があそこまで上がったのは、次に高く買う人がいる、というだけでご ざいます。これだけの理由です。経済的に何の裏地もなかったんです。ですからい ったん逆回転すれば、本当に見合うところまで下がる。あるいは、下手すると怖い んですが、相場というのは行きすぎるんです。上にも行きすぎますが下にも行きす ぎるんです。本来あってしかるべき値段よりも瞬間的にですが下まで抜けちゃう場 合があるんです。ですからちゃんとものを見て予測が当たっている人から見ますと、 日本の地価はまだ下がるという。東京で、東京近辺、大阪でもそうですが、マンシ ョンが売れてきたんですが、どうもそれも山場を迎えてきたようでございます。3 千万、4千万円台のマンションがどうも息切れしてきていると、プロの間では来年 暴落間違いないと言われております。もう供給過剰になっております。しかも、問 題はバブルの頃、ピーク89年、90年、91年、不動産は91年まで持ちましたから、こ の三年間バブルのピーク、この中心の90といたします。この時に、一番高いときに 無理して買った人たちが膨大な数いるんですが、彼らがローンを払っているわけで す。しかも、買った物件はもう半分ぐらい下がっちゃってます。じゃ、どうなって いるかと。このローンが問題でございます。五年間は、猶予がつくんです。五年間 は。最近のローンはそういうのが多いんで、五年間は返す額が少ないんです。五年 過ぎたらガッと増えるんです、急激に増えます。ということは来年から、95年から 破綻者が続出するということでございます。現在でも、住宅金融公庫とか、頭抱え ているんです。返せない人が今どんどん増えて来ているんですって。あまり発表し たくないということで彼、発表しませんが頭抱えております。それが来年から加速 する、と。  ということでこれまでの色々な、これ別に誇張した数字ではございません。本当 の数字を集めてきてこれだけ見ても来年から厳しいな、というのが一目瞭然で分か るわけでございます。そういう中で、私は皆さんに一つだけヒントを、差し上げた いと思います。怖がらすことを言ったばかりではいけないので、一つだけヒントを。 じゃ、何を見ていれば、本当に銀行が危なくなるかどうかが分かるかと。だから日 本の経済が本当にひどいことになるかどうかが分かるかと。現在、唯一政府が支え られるのは株価でございます。日経平均という、今日1万9千いくらとか1万8千いく らという、あれを日経平均というんですが、日経平均株価、これが1万5千円を割っ て、ここまで行っても大丈夫です。ここを割ってしかももっと下に突き抜け始めた ら、1万2千円ぐらいまでどんどん下がり始めたら、これは銀行が、どこの銀行でも 持たないと思って差し支えないと思います。ただし、これより上でしたら絶対大丈 夫です。何とか日本のは、安全装置がいくつも付いてますから、何とかすると思い ます。ですから皆さんが何も恐れることはないんで、日経平均毎日見ててですね、 これを下回らなきゃ大丈夫です。瞬間的に、別にこれ割っても大丈夫です。92年の 8月に1万4千3百円まで行きましたけれども、あの時も、戻しましたんで。あの時に 初めてPKOが入ったんですが、この程度のレベルまで下がってもまだ大丈夫です。 ただし、これを割って、下へ、まだ下へ抜けていくようだと、そうなったらはっき り申し上げて銀行から全預金を引くようにあげておいた方が良いと思います。これ はもう、六十年前に起こったことが起こるであろうということでございます。ここ だけ見てれば大丈夫でございます。しかも私は、必ずこういう事が起こるとは申し 上げません。かなりの確率がある、と。今のところ60%ぐらいの確率があるという ことでございます。そういう中で皆さんが一番今ご興味がある、関心事というのは、 おそらく為替の問題じゃないかと思います。1ドル、一体どうなるのか、いくらま でいくのかと。  ところが、もっと大変な問題が、実は今、為替市場で起こっております。東京に、 東京外国為替市場という、円とドルを売り買いする市場があるんですが、そこで最 近連日のように不気味な噂が飛び交っております。どういう噂かと。日本の有名大 企業のあそこがこれだけ持っているらしい、いやここもこのぐらいらしいという、 持ってていいものもありますが、持ってて不気味な物も沢山あるわけです、世の中 には。これが、昨年昭和シェル石油というところが爆発した問題でございます。あ のとき昭和シェルはこの為替の損でわずか一社で1千6百億円という考えられない損 を出したんです、発覚しちゃったわけです。ついにもう、隠しきれなくなって。で、 あのあと昭和シェルの株価は暴落したんですけれども、結局、為替が2百円から、 今百円切る事態と。で、まさかですね、2百円の頃にプロでも百円割るなんて、あ の当時予測したら頭おかしいんじゃないかと言われたんですが、ここで日本の輸出 関連あるいは海外と付き合っている、日本のほとんどの大企業と言っていいと思う んですが、必ずこういうことをやってきたわけです。  為替の予約、ということをやるわけです。ところが、一年したら思ったより円高 になっちゃったと。どうしたらいいかなと。まぁいいや、来年まで誤魔化そうとい うことでですね、一年ごとにちゃんと損を出しておけば問題なかったんです。それ を、先物という、先物という特殊なシステムがありますが、それを使ってとばす、 一種のとばしを出来るんです。先にツケを送るんです。ところがまた、やっても円 高になっちゃったと。いうことでここで、雪だるま式に損が出ていくんです。それ でも誤魔化せるんです、先物を使って延ばしておけば。ということを延々とやって きたんですね。ですからこれははっきり申し上げて、あるサラ金から、Aというサ ラ金から借金して返せなくなったと。しょうがないから今度はB社に行ってお金を 借りて一応Aに、返しておくと。でも、ここのお金はもっと膨らんでますからどん どん利息つきます。これも返せなくなった。じゃ今度C社に行って一応これ、返し ておく。ということをやってきたわけです。それと全く同じことを延々とやってき てですね、いよいよ例えば、有名な日本の航空会社、世界的な航空会社、JALと いう会社がございます。ここは何で分かったかと言うと、まだもちろん損は出して ませんけども、JALの労働組合が、冗談じゃないと。うちの会社これ以上やった ら本当破綻するということで内部告発の文書を出したんです。一、二年前の数字で、 二年ほど前の数字でJAL一社で1千億でございます。何もしないでこれだけで1千 億損しちゃったんです。今みたいに1億儲けるのでも大変な時代に、1千億損がでて いる。しかもこれ、二年ぐらい前の数字ですから、もっと円高になっていますから、 これ、想像を絶する損がでております。ただし、まだこれ出してない、損を表面化 してないからもっと悪いんで、いつか出さなきゃいけない。  しかも、国際会計基準というアメリカ並の会計基準に変えなきゃいけないという ことを今、外国から言われておりまして、もしか、96年などにそんなことをさせら れたら、日本の会社は全部、とんでもない損を一挙に出さなきゃいけないという、 そういう今構図になってきております。で、これが日本全国、というか全社でどの 程度あるか。これはもう、誰にもわかんないんです。数兆あるだろうと。ただし、 今日は、こんなちゃちな問題を私は、言うためにここまで来たわけじゃないです。 こんなの吹けば飛ぶような壮大なとばしがついに、爆発しそうなんです。総額4百 兆円という、信じられないとばしでございます、これは。  じゃ一体、これを持っている人は誰かと。これは皆さんが本当に戦後五十年、お 世話になってきた人でございます。この人がいなければ…という方でございます。 この方は、現在でも世界中の海に核兵器を搭載した空母を沢山浮かべている方でご ざいます。アメリカ合衆国です。ただこれ、古い数字でございます。もう既に5百 兆円に近付いております、現在。少なめに見積もって4百兆円といたしましても、 これで4兆ドルと。これ1ドル百円になったから4百兆円で済んでますが1ドル2百 円でしたら8百兆円ていう額でございます。いくら巨大な帝国とはいえ、これほど の借金抱えたらどうなるかと。しかも、個人の借金と全く一緒でございます。つま り誰かにお金をこれ、借りてるわけです。つまりですね、アメリカ国債という国債 がございます。日本の国債と一緒で紙っぺら一枚で、誰かにお金を、必ず数年後に 元本も返しますし、利息も払いますよ、ということを約束して、紙っぺら一枚で、 これだけのお金を集めてきたわけです。毎年利息が付きます、これ。現在、円高と いうよりもドルが今、危なくなってきてるんです。なぜ危ないかというと、結局こ れにあるんです。その、ドルの大元、あるいはアメリカ国債の大元であるアメリカ 合衆国は、もう火だるま状態なんです。しかも今回、クリントンが、というか共和 党が勝っちゃいましたんでクリントンの民主党がもうどうしようもなくて、何とか、 クリントンは財政赤字を減らそうとして、それがむしろ無理になるんじゃないかと 言われております。そういうことでまたアメリカの金利が上昇し始めております。 この額も問題ですが、ここにあるグラフをお書きいたします。現在この辺りなんで す、アメリカは。毎年金利がつきますから、ある時点から垂直に立ち上がるんです。 アメリカの財政赤字は。現在4〜5兆ドルと。2000年超えた頃には10兆ドルと言われ ております。もうここまで行ったらですね、アメリカの全予算を使っても、国債の 元本、それから金利も全部払えません。ということはもう、予算が組めないんです。 予算なしと、いう状態でございます。ということはもちろん、こんなところまで行 けるわけないんです。どっかでですね、とんでもないことをせざるを得ないわけで すね。一つは、考えられることは、だいたい最後は戦争をやるかですね、あるいは 徳政令でございます。つまり、今日限り、今まで返すと言ったものは返さないとい うことでございます。食い逃げでございます。  で、それを一番買っているのが日本なんです。特に、政府が何で危ないかと言う とですね、政府は実は七十年代から八十年代にかけて、アメリカの特に長い国債、 長期債というものを、大量に買っております。いくらで買ったかというと、1ドル 250円の時に買っているんです。それが、百円ですから、1ドル、元本がもう4 割になっちゃったんです。もうどんどん大損しているんです。これだけで。これだ けで自動的に大損と。しかも、この上にもしかこんな事になってですね、チャラと。 紙っぺらと言われたらですね、これはもう、笑い話では済まないというかですね、 ですからこれ、時限爆弾。もうどんどんどんどん大きくなっております。止められ ないんです、これ誰にも。というのは、利息払うと約束してやっているもんですか ら、自動的に増えていくわけですから。ところが、このアメリカ合衆国、最近うる さい兄貴なわけです、日本から見れば。長年お世話にはなったけどですね、うるさ いことばかり言いやがる、と。日本のことをいじめるということで日本は、この問 題は結構有名でございますから、日本人は自分のうちの二階に上がって兄貴のうち 見てたわけです。「おぉ、燃えとる燃えとる。」と。うるさい兄貴の家が燃えとる と。ところが、ふと気が付いたら、おかしいな、焦げ臭いなと。違う臭いがすると、 ふと下を見たら自分の一階が火だるまという状態でございます、今。アメリカ合衆 国はですね、4百兆を超える借金と。じゃ、日本はどこまで来てるかと。私が、「 95年の衝撃」という本、あるいは、「超恐慌」で書いたのが、220という数字 でございます。日本はここまで来ている。ただ、日本はアメリカの国家予算の半分 でございますから、アメリカ側より実は、更に厳しい状況に今陥っております。で、 しかも日経新聞、二、三ヶ月前に何と出たかと。こんな、本当に米粒のようなベタ 記事でございます。何と出たかと。大蔵省が、国会の委員会で認めたんです。隠れ 借金まで含めると、現在270まで来ていると認めました。270超えてると言うんです。 ですから、あの30兆円という最初に申し上げたですね、数年間で30兆円を総合景気 対策に使っちゃったと。財政の専門家に言わせると、頭がおかしいとしか思えない ほどのことらしいです。あの30兆使っちゃったというのは。と申しますのは、日本 の70兆しかない、一年間に70しかない予算で、300 というラインを超えたらどうな るかと、これは英語で言えば POINT OF NO RETURN という地点でございます。引き 戻し不可能地点という地点でございます。財政の専門家に言わせると、これは、お 正月にあげる凧がございます。凧の糸が切れて、天まで舞い上がるか、墜落するか、 というどちらかの世界でございます。絶対に戻って来れない地点がもう既に迫って おります。で、この270、これでさえ実は超えちゃいけないラインと言われてお ります。名目GNPという数字がございますが、この50%を超えちゃったんです。 これ。絶対超えちゃいけないんです。これ。超えるとどうなるか。


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8.日本国家が破綻する時、

 明治維新以来三度目の危機でございます。一度目は、日露戦争から第一次世界大 戦まででございます。二度目はですね、満州事変から敗戦まででございます。前回 二度に共通しているのは大増税、凄まじい増税です。それから二つ目は考えられな いようなインフレ。三番目は最後に戦争が、国民を襲ったという事実でございます。 つまり国家というのは、破綻すると何でもするという、人間と一緒でございます。 もしか、借金、サラ金から借金抱えて、自分の年収の4倍以上の借金抱えたらどう なるかと。はっきり言って銀行強盗やるか、心中するか、ま、夜逃げでしょうね。 ただ、国家は夜逃げできませんから、とんでもないことをするという事でございま す。  歴史ですね。歴史をずっと検証していきますと、国家が破綻した時に、どういう 事になるかと。これは、資本主義とかそういう体制に関係ありません。必ず、不思 議なことに、ある状態になります。唯一の例外がございません。  ハイパーインフレという状態でございます。つまり、超インフレ。私たちが戦後 五十年、経験してきたような国家が制御した気持ちいいインフレ、つまり、毎年数 パーセントずつ増えていく、給料も増えていく、物価もちょっとずつ上がっていく、 こういう制御されたインフレとは全く逆の、考えられないようなインフレが来てい るということでございます。  例えばローマ帝国、あの壮大なローマ帝国最後はどうなったかって言いますと、 皆さんご存じのようにローマの古代遺跡たくさん残っております。あれの維持費の ために国家が破綻して、最後は凄まじいインフレに突入するんです。そういう状態 の中で、たまたまあの時は天変地異がたくさん起こって、北方の民族であったゲル マン民族が食糧危機に陥って玉突き状態でどんどん移動を開始するんです。しかも、 ローマは爛熟しきっておりましたからもう非常に弱くなってたんですね。そこへ大 挙して武装した難民が押し寄せて、ローマ帝国に侵入すると、あっと言う間に崩壊 してしまったわけです。じゃもう少し近いところではどういう例があるかと。あの、 七つの海を支配したといわれているスペイン、コロンブスもスペインから行ったわ けでございますが、あのスペインの最後がそうでございます。あの帝国も、最後は かなりの財政赤字になりまして、一部の非常に心ある人が進言したんです。このま ま行くと大変なことになると、数年以内に大変なことになると言ったんですが、ほ とんどの人がこれだけ繁栄した国家でそのようなことが起こるはずがないと言った んです。あっと言う間にこの国も滅びていきました。それから、かなり近いところ では戦前のドイツがそうでございます。ヒトラーが出てくる直前のドイツ。あの当 時のドイツのインフレを見てますと、ヒトラーほどの、ヒトラーぐらいの人物が出 てこないと、悪い意味の人物ですが、人々の不満のはけ口がどうにも収まらなかっ たということがわかります。それから戦後では南米諸国、で、現在のロシアがそう でございます。当時、ドイツでどういう事が起こったかと。ヒトラーが出てくる前 のドイツでどういうことが起こったか。当時のドイツのレストランに行きますと、 昼と夜で、同じ日に行ってメニューの桁が違ったそうでございます。それから、夕 御飯を買いに市場まで行きます時はですね、リュックサック一杯札束を積んでいっ たそうでございます。そのぐらいないと買えなかったというぐらい、もうインフレ でどんどんお札が膨らんじゃったんです。それから、給料はリヤカーで皆なで押し て運んだそうです。一人分を。当時の写真本当に残っております。皆さん笑うかも 知れませんが、当時ですね、写真が今でも残っております。それから、最後の最後 にどうなったかと。当時は燃料といえば薪が中心でございました。薪を買うよりも 札束を燃やした方が早かったというので、札束を本当に燃やした人がいたそうです。 そのぐらい経済が大混乱、という中でヒトラーが出てくるわけでございます。そう いうことで日本もこのまま行きますと、私はですね、どっかでちゃんとした人が出 て止めれば別ですよ、絶対こうなるとは言いませんが、このまま行くとですね、日 本は今デフレ状況でどんどん物の値段が下がっているわけです。現在がこことしま すとまだ下がるでしょう、土地も。ところがある時点、今世紀末のどっかで、これ がものすごい今度インフレに入るかも知れません。ですからこれは恐慌と言うより も、前代未聞の大混乱と言った方がいいかも知れません。この可能性がかなりある と。  これまで色々、私の話してきた内容をまとめますと、どうも来年から、95年から 98ないし99にかけてですね、大きな混乱が来ると。ただし、その混乱を日本語で言 い表すべき言葉がないんです。とりあえず私は恐慌という風に、分かりやすいため に恐慌という言葉を使ったんですが、あえて言えば、だらだら恐慌と言った方がい いと思います。というのは日本は、先ほどからご説明してる通り、政府が、何かあ るとほんとはやっちゃいけないんですが、支えちゃいますんで。どーんとくるよう なですね、六十年前にアメリカで起こったような、もう、下がるところまで下がり きっちゃおうということが起こらずにですね、何かダラダラ、ダラダラと、しかも 長いと。一体これ何なんだと。もう得体が知れない経済状況というのが、これから 数年間、私今世紀一杯続くんじゃないかと思っております。


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9.文明衰興の歴史的流れ

 あと時間も、17〜8分ほどでございますので、最後にちょっとまとめといたしまし て、皆さまに、今日お手元にありますテキストを開けて頂きたいんですが、6頁と 7頁でございます。そこに二枚の図表が出ていると思います。右側が覇権の移行と 800年周期、それから左側が資本主義に名を残す歴史的バブル崩壊っていう図表でご ざいます。一番最初に、右側を見て頂きたいんです。実は、歴史にはどうも不思議 なパターンがあるのでございます。ヨーロッパが、その、ベネチアというところを 見て頂きたいんですが、今のイタリアのベニスでございます。水の都ベニス。別名 ベネチアと申しますけども、このベネチアが出てきたと。これが実は現在のヨーロ ッパの繁栄の一番最初なんです。ちょうど1200年前ぐらいでございます。この直前 に何が起こったかといいますとですね、ちょうどその前の800年間、ヨーロッパは非 常に厳しい中世の暗黒を経てきたわけでございます。その800年前 はどうだったか と、紀元400年以前 はギリシャ・ローマという壮大な文明がヨーロッパに花開いた わけでございます。ちょうどこのギリシャ・ローマで両方でだいたい800年間なんで す。その後、そこに唐というのが出てますがこれは、ヨーロッパが非常に暗かった 時代に東洋が栄えたんです。逆転しているんですね。その唐と書いてある時にヨー ロッパは非常に暗い中世の暗黒を経まして、どの程度暗黒だったかと。古代ローマ が滅びた後、ヨーロッパに小さな国が出来るわけでございます。その首都で、せい ぜい人口が二千〜三千人と言われております。ちょっとした集落で五、六十人。ほ とんど自給自足の、ローマ時代から見たら考えられないほどの低い文明に落ちるん です。当時、東洋の方はどうだったかと。唐の都長安、だいたい人口二百万、三百 万と言われておりました。それから現在フセイン大統領がいるバグダッド、あそこ はアラビアの中心でございました。そこも人口二、三百万と言われておりました。 考えられないほど栄えたんです。どうも西洋と東洋は逆転しているようでございま す。で、その中世の暗黒時代を経ていよいよ、12世紀、1100年代に何が起こったか と言いますと、これは現代の歴史学者で誰も説明できないそうでございますが、あ る日突然的に十字軍という、聖地エルサレムを回復するというキリスト教の名目で ございますけども、一種の民族大移動が起こったわけです。男で、血気盛んなちょ っとまともな男は、みんな十字軍に行ってしまうという、大変な民族大移動が起こ るわけです。で、彼らは行って何を見たかと。一種のオリエントを見たわけですね、 ヨーロッパから見て。当時のアラビア・サラセン文明という当時の世界最高の文明 を見て目から鱗が落ちる。つまり、びっくりしたんです。ここで、ものすごいショ ックを彼らは受けたんです。で、返ってくる時の船はどうだったかと。船底は略奪 品で満杯だったそうでございます。その略奪品の交易から地中海航路が始まるんで す。で、しかもその貿易港として一番地の利が良かったのがベネチアでございます。 ですからベネチアからオリエントの東洋の文物がずっとヨーロッパに入ってってる んだと。そこでベネチアが栄え始めまして、イタリアでフィレンツェとか色んな街 が栄え始めるんです。その時に有名なメディチ家という、銀行の今の大元でござい ます、を始めた家でございます。メディチ家という家が出てきて、ヨーロッパ中に 銀行システムを作るんです。ここから資本主義の芽が出始めるわけです。当時ルネ ッサンスがここから花開くわけでございますが、オリエントを見てきた人たちが、 800年前を思い出したら実はギリシャ・ローマがあったじゃないかと、私たちにも凄 い文明があったじゃないかという事で、800年前のギリシャ・ローマを思い出す、そ れがルネッサンスだったわけでございます。それが資本主義の始まりになるわけで ございます。で、そこから800年間、資本主義の西洋はこの図のように国の力が移動 してまいりました。だいたい不思議なことに西に向かっております。ベネチアの後 はスペイン、オランダ、大英帝国、アメリカ。  オランダから本当の金融システム、今に近い金融システムが出来、株式市場が出 来、資本主義のかなりの部分が出来上がってきたんですが、ここで不思議なパター ンが登場します。覇権の移行と書いてありますが、世界のリーダーシップを執るぐ らいの力、それを覇権と言うんですがその国の力が移行する時、移動する時に、次 の覇権国となるべき国で、壮大なバブルが膨張し、それがやがて崩壊して、凄まじ い不況がやって来るんです。金融システムが動揺するほどの不況がやってきて、そ の不況を乗り越えて初めて本当の、世界に通用する大国としてのし上がって行くん ですね。これが一回も崩れておりません、パターンは。その図を見て頂くと分かる んですがまず、スペインからオランダに覇権が移った時に、どういう事が起こった かと。当時オランダは世界中に大商船団を派遣して、商人を派遣して、世界中の富 を交易によって得つつあったわけですね。急速に金融大国となりつつあったわけで すが、その時にたまたま、当時としては非常に珍しい花、それがチューリップでご ざいます。現在ではチューリップというのはどこにでもある花ですけども、当時は 国で言えばトルコという国から来た花でございまして、ヨーロッパでは非常に珍し いということで最初は王侯貴族が趣味として集めてたんですね、ところが、オラン ダ人がだんだん、ふと気づいたら、小金持ちということで、結構お金があるという 事で、何かもっと儲かるものはないかと、楽して儲かるものはないかということで 目を付けたのがチューリップの球根だったんです。で、次第にその熱が上がってい きまして、もう、あらゆる人が手を出したと言われております。ほとんど、ちょっ としたお金を持っている人はあらゆる人が手を出したと。いう中で、銀行が当時何 を造らされたかと。金庫の中に球根の貯蔵庫を造らされたと、銀行の中に。つまり、 資産として非常に大事な物ですから預かってくれということで。それを担保にして、 それから先物とか色んなシステムもその当時全てもう出来上がったそうでございま す。現在、アメリカとか日本を中心にありますほとんどのシステムはこの時チュー リップを中心に出来上がったそうでございます。で、あまりにも投機が激しくてお 金が動いたので、最後には学者の中から金本位制ではなくてチューリップ本位制に しちゃえと、チューリップの球根の値段を元に全ての価格を決めろと、そこまで言 ったそうでございます。最後の最後には、珍しいチューリップの球根一個で家一件 買えたと、言うことは、おそらく1億を超えたということでございます。ところが いつの時代でもそうで、やがて一番賢い人が、こんな事が永遠に続くわけないとい うのに気付き始めるんです。で、手を引き始めるんですね。それが最初上がってき た値段があるところでぴたりと止まり、やがて下がり始め、それが急速な下げに入 って、信じられないような暴落が始まるんです。結局この時政府は一切介入しませ んでした。チューリップは落ちるところまで暴落して、オランダの金融システムは 数十年間死んだも同然という状態だったと言われております。ちょうどこの当時、 日本で言えば鎖国が始まった頃で、長崎の出島のオランダ商館もかなり影響を受け たそうでございます。  次のパターンはどうかと。オランダから大英帝国に移る時、南海バブル事件とい う事件が起きております。これに実は、NTT事件、先日のNTTの株の事件、あ れは南海バブル事件にうり二つでございます。どういうことかって言いますと、当 時、大英帝国は結構戦争をしておりましたんで、国家財政が良くなかったんです。 で、国の借金を何とかどこかでチャラにしたいと、思ってある人がうまいこと考え つきまして、大英帝国の利権の一部を、当時のアメリカとか南米の植民地の利権の 大部分をこの南海会社という、SOUTH SEA COMPANY に移して、民営化したんです。 で、株式を上場してそれを一般大衆に買わせて煽ったんです。で、一時は相当値上 がりしたんですが実体がばれて暴落と。イギリス人、かなり、皆さんご存じのよう にラグビーが好きな民族でございます。凄く血気盛んな民族でございます。株券を 握りしめた群衆がロンドンのシティという金融会社へ殺到して窒息者まで出るとい う大騒ぎになりまして、この時も株価暴落でイギリスは二、三十年とんでもない目 に遭ったそうでございます。 前回どうだったかと。これが大英帝国からアメリカの力の移行です。この時に、 力が移行しきるまでに、まず最初に第一次世界大戦をやったんです。そして、二つ 目に世界大恐慌をやりました。で、三回目に第二次世界大戦という、この三つの大 変動を経てやっと国の力が移ったんです。そのぐらい、国の力が移る時ってのは、 壮大な混乱が起こるんですね。しかも、通信網とか運輸の技術が進めば進むほど、 一国にとどまらず、前回は世界的に影響を及ぼしたという事で、今回いよいよどう いう事が起こりつつあるかというと、そこに書いております、アメリカが今急速に 衰えつつあると、そこで日本が80年代後半、世界的な金融大国として出てきて、そ こで、90年から株の暴落と言うことで、これまでのパターンがもしか、繰り返され るとすれば、相当のことが起こって不思議ではないなということでございます。そ うしますと、どうも今大きな三つのパターンが来ているらしいと。この大世紀末に、 どうも大きなパターンが来ているらしいと。一つは60年というパターンでございま す。60、それから二つ目が100、三つ目が800という数字でございます。この60とい うのは、景気循環サイクル、あるいは恐慌サイクルと言われているサイクルでござ います。これは昔から色々言われておりますが、特にアメリカの経済学者でラビ・ バトラーという方が、アメリカの建国以来二百数十年の公式データを元に検証した ら、必ずこれがあるということで、分かった数字でございます。アメリカ経済には 実は、十年に一度、軽い調整がやってくると。で、三十年に一度、かなりの不況が やってくると。で、三十年目の不況を軽く乗り越えた場合、実はその倍の六十年目 に恐慌的事態がやってくるという、これは一度も狂ってません、アメリカの場合。 ただし一度だけ例外は南北戦争、あれはインフレでございますので、その時だけパ ターンが崩れたと。これが60年周期でございます。  100 は何かと。今ご説明申し上げた、覇権の移行のパターンでございます。正確 に100年 ではございませんが、100年毎と、ほぼ100年に一度。で、しかもですね、 その前の6ページ見ていただければ分かるんですが、図表が出ております。覇権の 移行にともなう、バブル崩壊、だいたい相場が10分の1まで下がっております。で、 いよいよ最後の800、ていうのが今先ほどからご説明しております、歴史の800年周 期という、10ページを開けて頂ければ分かると思います。どうも歴史には壮大なパ ターンがあるらしいと、これは村山操さんという方が戦前に発見されたパターンな んですが、現在でも歴史学会ではまだ認められておりません。日本の学会というの は、こういう本物の情報を認めたがらないということなんですが、むしろこの理論 を元に京都大学の名誉教授の岸根徳倉さんという方が、「文明の法則」という本を 書いております。それが今中国では翻訳されておりまして、中国では大変に研究が 進んでおります。あの国は、岸根さんが行くと首相待遇、VIP待遇で扱うそうで す。21世紀にこれは相当の、理論として評価されるんじゃないかと思いますが、こ れを見ると分かるんですけれども、左から三つ目の山を見て下さい。左から三つ目 にエーゲ文明というのが出てきます。このエーゲ文明の最後どうであったかと。こ れは最近まで歴史の考古学者の謎でございました。なぜかというと、地層を掘って いくと、下から古い、もちろん地層なんですが、エーゲ文明、その前800年間 もの すごい繁栄を遂げるんですが、ある日突然的に消えてしまうんです。上の地層には 何も残らないんです、ほとんど。文明の痕跡すら。現代までこれはほとんど謎と言 われてきたんですね、これ、歴史年表を、皆さんお帰りになって大学受験程度の、 高校三年程度の歴史年表を見れば書いてあります、この事実が。これ、800年周期に よってこれが説明できるんです。どうも800年毎に、地球を揺るがすような大きな変 動、人類にとっては民族大移動と戦乱なんですが、やってくると。で、地球から見 ると、天候異変がやってくるんです。急速な寒冷化がやってまいります。じゃその エーゲ文明から右に二つ行くとどうかと。ギリシャ・ローマでございます。で、ロ ーマの最後も結局天候異変でゲルマン民族大移動と。その後、800年、ちょうど今か ら800年前 どうだったかというと、十字軍と、東ではジンギス・カン、ジンギス・ カンは当時のアラビア文明をほとんど全滅、という状態にさせました。その程度の ことが起こっていると。日本では何が起こったかというと、800年前、1192年に、源 平の合戦がございました。あれで貴族の社会が終わるんですね。で今までちょうど、 私は明治維新まで武士の社会、ただし、現在でも日本人の心の中に武士道というの は生きていると思います。その意味では800年間 武士の世界が続いたのかな、と。 どっちにいたしましても、この三つの波が今、全部グランドクロスしようとしてお ります。ですから今回の不況はこれ、並ではないし、不況とさえ呼べないと言うこ とで、私はですね、皆さまに今日のお話ちょっと歴史的な色々な話が多すぎた、そ れから数字が多かったせいか、わかりにくかったかも知れませんが、是非ですね、 今日の話を元にこれからサバイバルをして頂くということの知恵に、参考になるか と思います。  ということで、非常にまとまりのない話でございましたけれども、皆さまの今後 のご活躍と、厳しい時代でございますが発展をお祈りして、今日のお話をここで終 わらせていただきたいと思います。どうも有難うございました。 文頭に戻る